「あれ?」
扉を開けた🌺は家主が不在のその部屋を見て声を上げる
人を呼びつけておいて部屋にいないとは…と、思わないでもないのだが、彼のことだからきっとフロイドかアズールに捕まっているに違いない
となれば🌺に残されているのは部屋で家主の帰りを待つことである
一度いないからと勝手に自室に帰ったことがあるが、その翌日学校で190cmの巨体からニッコニコの笑顔で見下ろされて生きた心地がしなかったのだ
またあの生き地獄を味わうのは遠慮したい
何より今日は特に予定もないのだから、おとなしく待っているのが吉である
「………(綺麗に片付いてるなぁ)」
待ってる間の暇潰し
ぐるりと部屋の中を見渡して、🌺は心の中で感嘆の声を漏らす
双子のフロイドの部屋と違って綺麗に片付いているこの部屋は実に彼らしい
「…?」
ふと、椅子の背もたれに掛けられているシャツが目に留まり、🌺はそっと手を伸ばす
普段の身長差を思い出し、自分のとどれだけサイズが違うのか気になったというか…
つまりは単純な好奇心である
「でかっ」
そうして手に取り広げたシャツは、当然だがめちゃくちゃデカい
圧倒的サイズ感により好奇心をくすぐられた🌺は次第にシャツに腕を通してみたくなり…
「……早く帰ってこないジェイドが悪い←」
と、勝手に家主を悪者に仕立て上げ、いそいそと自分のシャツを脱ぐと、持っていたジェイドのシャツに袖を通した
全てのボタンも留めてまじまじと見下ろせば、予想通り指先すら出てこない袖口が見える
「ぶかぶかww」
目の前の光景に訳もなく笑いがこみ上げて、🌺は一人くすくすと笑いを零す
すると…
ガチャッ
「?!」
突然扉が開く音がして、反射的に振り返る
そこには彼シャツ状態の🌺に驚きの表情を浮かべるジェイドがいた
「じぇいど…?」
ヤッベェ…と密かに冷や汗を流す🌺
呼びかけられたジェイドは数秒の間の後、ニッコリと笑みを浮かべながら陛下へと近づいていく
「随分と、可愛らしい事をなさるんですね」
「うっ、いやその…ごめんなさい」
笑顔のジェイドを見て、勝手にシャツを拝借した事を怒っていると思った🌺は、目を泳がせてばつが悪そうにしている
「何を謝っているんです?僕は別に、怒っている訳ではありませんよ?」
「………ε-(´∀`*)」
「ですが……」
わかりやすい🌺の態度にやれやれとため息をつくジェイド
怒っていないというジェイドに🌺はわかりやすく安堵の表情を浮かべるが、その安心は束の間のものでしかなかった
「その様な格好で僕を誘惑したのですから、今日はお部屋には帰れないと思ってください(^ _ ^ )」
「え………」