▼2022/08/09:キンブリー夢
載せる、と言っていたのに忘れてました(こら)短いキンブリー夢(ネームレス)です。折りたたんでます。
『緊急事態』
久しぶりに彼に電話をかけた。忙しいのは百も承知だけど、こちらは緊急事態だった。
三度目のコールの後、軍部の電話交換手が出た。
『少佐は席を外されているようです。ご用件は?』
三日後、中央駅のホームで汽車を待った。もし伝言通り来てくれるのなら、一等車の、一番前のドアから出てくるはずだ。
ワインレッドの高級列車がホームに入る。風がぶわりと吹き込み、前髪が強くなびき、扉が開いた。
来るか、来ないか。
さて、どっちだろう。
「やれやれ。この私を呼んだからには、それ相応の仕事があるんでしょうね?」
一際目立つ白い男が、帽子を押さえて降り立った。
早足で駆け寄ったけれど、驚きのあまり反応が薄くなってしまう。
「まさか、ホントに来てくれるなんて」
「貴女の頼みは断れませんよ」
スーツケースを転がし、並んで歩く。涼しい蒼の流し目が私を捉える。
「それで? ご用件は?」
たくさんあるの、と声を大にして、思いっきり息を吸う。
「夏休みの宿題!! 明日まで!!
特に数学、全然やってないの!!!」
「……やれやれ」
目を伏せゆるゆると首を振る義兄は、ばかな私をひとつも咎めなかった。
20220805 ハガモバリリース記念、キンブリーさんピックアップガチャ登場記念