アンチメンヘラ


 助けてください。
 つらいんです。しんどいんです。
 苦しくて、もう抱え込めなくて、でも責任はいつだって自分より大きくなって全身にのしかかってきます。
 重たくて、振り払うこともできません。
 私はそれでもただただ、生きています。
 愚直に、真面目に、まっさらに。助けてくださいなんて言えないくらい、前だけを向いて真面目に生きてきました。
 それなのに――私は見てしまいました。
 振り向いてしまいました。
 私の背に寄りかかりながら、身軽なまま、自分だけ抱きしめてもらっている人達を、私は見てしまったのです。
 自分で歩くこともしないくせに、周りに重荷を全て押し付けて、軽々と助けられやすい場所にいる人達を見た時、私は一緒に自分の歩いてきた過去も見てしまいました。
 愚直だなんて笑いごとです。真面目だなんて、お腹がよじれてしまいそうです。正しいのは、まっさらだということだけじゃないか。
 私はそんな人達の足蹴になっているだけでした。
 誰も私を助けてくれないのは、私が叫ぶより前にそんな人達が私の背を蹴って自分だけが可哀想だと助けを求めていたからでした。
 愚直に真面目に、まっさらに生きてきた私は、その時はじめてひどく汚れた黒に染まりました。
 ずるい。お前らなんかより、私の方がずっと――


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