和嶋薫子 芥川龍之介
特務司書 転生された文豪
01
指名キャラ名(ジャンル名):おまかせ(文豪とアルケミスト)
特務司書のお仕事……大変ですけれど、センセイの御本が沢山読めるのが最高の報酬ですね。
(特別な事件もなく、平穏に、されど物語は着実に蝕まれゆく今日という日。必要な庶務を終えた後に図書館内をふらつくのは和嶋の日課のようなものであった。多くの本に囲まれる時間は至極、心地よい。時折すれ違う文豪達の転生体へ挨拶を交わし、見かけたネコをひとなで。抗議の声をぼんやりききつつ、適当に手にした本を片手に館内の、休憩スペースへと赴いた。)……あ、ら……センセイ、ごきげんよう。こんな所で何をなさっているのです?(緊急の呼び出しでもない限り、ゆっくりと本でも、と思った所で見かけた先客の姿にパチリ、と双眸を瞬かせた。けれども決して嫌なわけもない、ついつい表情を綻ばせては、楽しげに、軽やかな足取りで其の人の元へと歩み寄る。)ふふ、吃驚。私ね、いま丁度センセイのお書きになられた御本を読もうかしらって思って、持ってきた所だったんです。これも文字のお導きなのかしら、なんて。(クツクツ、と兎角楽しげに喉を鳴らしては手にしていた本を軽く掲げて見せる。そうしてから一瞬の逡巡の間を経ては『センセイ、お時間よろしければ少しお話でもいかがでしょう』なんておずおずと告げる。許諾を得ればぱぁ、と表情を輝かせ、其の人の手を取り直ぐ側のソファに嬉々として腰掛けるつもり。そうしていくつか言葉を交わす事が叶ったならばふと、思い立ったように、)あ、そうだわセンセイ……もし宜しければ、今度、助手をセンセイにお願いしてもいいかしら。お嫌なら、別の方にお願いしますから、無理にとは、勿論言いませんけれど……。(どうでしょう、なんて続けてはゆるりと小首をかしげる。――返答がいかなるものであったとしても、今此の瞬間が、この日々が、少女にとって大切で、楽しいものであることには違いなかった。)
ふふ、そうかい…そんな風に言ってもらえると悪くないね。
(なんて平穏な時間だろう。こんなにも静かで穏やかに空気が流れているというのに、その裏では文学書が失われかねない状況になっているなんて誰も思いはしないだろう。けれどそれは事実で放っておいていればいずれ…。そうならないために特務司書と言われる幼い彼女に転生され、ここに身を置いているのだけれど。――ふうー、吹いた息と共にそわそわと揺れる体。しばらくは任もなさそうだから煙草でも吸ってこようか。―そう、残念ながらこの館内は禁煙であるために好きな時に嗜めないのだ。先ほど一服済ませて戻ってきたところだけれど…もう一服…そう考えに至ったとき、ふと噂をすれば、か。本を片手にやってきたのは幼さの残るかの少女だ。)やあ、ごきげんよう…かな。いや、ここに居た理由はないのだけれど。時間がありそうだから煙草を吸ってこようと思っていたところだよ。(楽し気な様子に、ふわりと優しく笑みを浮かべたのなら、歩み寄る己よりも小さな彼女に視線を合わせるべく体を屈めて。)おや、そうなのかい?…数多くいる文豪の中から僕の本を選びこうして二人で会えたのだから、あるのかもしれないね?(掲げられた本の表紙を見ては、驚き目をぱちりと瞬かせつつトンッと人差し指で表紙を軽く突いたのなら、本の横から顔を出し嬉し気に目を細め、「文字のお導き、だね」そうもしかしたらを肯定して。―それから彼女からのお誘いを聞いて、ふむ、と顎に手を当て考える。けれどそれも一瞬。「ああ、大丈夫だよ。」と許諾するつもりだ。一瞬の考えの中には煙草の事もあったのだけれど、―彼女の輝いた表情を見たならば、まあいいか…なんて。手を引かれソファーに共に腰掛け、幾分か目線が近くなった彼女との会話を楽しんでしばらく、)…僕が助手に?ふふ、ちゃんと務まるかはわからないけれど…嫌でも無理でもないよ。君が、僕がよいと言うのなら…(慕ってくれている彼女にそう真っ直ぐに見つめ伝えたのなら、優しく微笑んで見せよう。その今度が来たときは、自分なりに助手を務めるつもりで―。)
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