藤本空 真白友也





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設定/関係性:Ra*bitsのほぼ専属プロデューサー状態ゆえに、ユニットの一員として、そして可愛い弟として真白を含む一年生3人のことはとても大切に思っている。藤本自身も特筆するような事柄もない平凡な人間であるため、「普通の子」だなんて評されている真白のことはやや気に掛けており、同時にそれでも頑張っている彼のことを評価し尊敬もしている。いつか真白に「ね〜ちゃん」と呼んでほしいと願っており、当人にもそれは伝えているが強要はしていない。彼らにとって頼れる先輩兼プロデューサー兼姉でありたいと奮闘しているが、実際彼らからどのように思われているのかは知る由もない。

ねえ友也くん、ここ最近のみんなの調子はどう?


はあ……やっちゃったな、――…あ。(倒れて保健室で休んだあの日から数日。体調はすっかり良くなっていた。当日、それから翌日は大事を取って休養していたのだが、先日より学校に、そしてプロデューサー業に復帰していた。―のだが、Ra*bitsの練習には未だ顔を出せずにいた。あの一件もあったから仕事も少し減らしてもらっており、決して多忙だからというわけではなかったのだが。そんな中、授業間の移動のために廊下を歩いていてすれ違ったのがメンバーの一人である彼だった。)!…友也くん。へへ、久しぶりだね。……なんて、ごめん。もしかしてに〜ちゃんから、聞いた…?(にへら、と笑って見せたものの、きっと彼にも空元気だと気付かれているだろう。件の日、ユニットリーダーの彼が保健室まで駆けつけて、休み時間が終わるまでの時間ずっと付き添ってくれていたのだということは、その日の内に担任から聞いていた。悲しそうな様子だった、とも。彼が一年生の子供たちにその日の状況をどこまで話したのか、或いは何も話していないのかは分からない。申し訳なさから連絡を取ることを躊躇っていたのである。どちらにせよ、今目の前にいる彼はきっと困った表情を見せているだろう。どうしよう、何て思われているんだろ、何を言われるんだろ。柄にもなく不安が募り、ついそれが表情にも出そうになる。しかし、すんでの所で首を横に振って、再び笑って見せた。自分は彼の「ね〜ちゃん」なのだから。心配なんて掛けたくない、と。)ねえ友也くん!今日の放課後の練習、わたしも行っていいかな?あー、と……進捗とかわかんないから何ができるかもわかんないけど…。それでもよければ、また放課後にね!(ふ、と。メンバーの皆に会いたくなった。――急がなければ、そろそろ次の授業も始まってしまう。彼が何と答えるかはわからないが、それだけ告げて走り去るつもりでいた。)

ばっちりですよ!…って、自信満々には言えなくて…その、すみません。

 

へ、空さん…大丈夫なんですか?!(先日、いつもの放課後での練習の前だった。早くに着いて柔軟体操をしていれば、最後に練習部屋に入ってきた悲しそうな困ったような表情をしたに〜ちゃんから聞かされたのは驚きの内容であった。今や専属のようになっているプロデューサーである彼女が倒れたという、衝撃。思わずリーダーに思っていたよりも大きな声で勢いよく詰め寄ってしまうくらいには衝撃で、他のメンバーも心配そうに顔を歪めていたのだから彼女の存在の大きさを改めて感じさせるものである。「寝不足だって、休んだら大丈夫だって。」心配そうに顔を歪めながらも無理やり笑う彼を見たら、もうそれ以上は何も言えなくてそれでも大丈夫という言葉にひどく安堵して、)良かった…良くないけど、でも……良かった…。(情けなく震える声に、優しく頭に触れられた手。じわりと視界が歪んでしまいそうになるけれど、「空ちんが戻ってきたときにがっかりされないように、しっかり練習しよう!」力強い言葉に皆と一緒に大きく返事をして精いっぱいに練習を重ねて数日。部活の先輩から我らが”ね〜ちゃん”が学校に登校したと聞いていたのだけれど、彼女がRa*bitsの練習部屋に姿を表すことも、連絡をくれることも無かった。なんで、どうして?そんな気持ちが積もるけれど、それでもいつかは来てくれると信じて不安そうな一年メンバーを鼓舞して練習を一生懸命にすることしかできなかった。―そんなとある日、一人廊下を歩いていた時だった。見知ったその姿を視界に入れることが出来たのならば目を大きく開け、)そ、空さん!…久しぶり、です。えっと…、その…はい、倒れたって…だから、(笑顔を見せる彼女に、いつもなら彼女を表すその元気で温かなものが嬉しくて此方まで釣られて笑顔になってしまうのだ、けれど一瞬パッと気まずそうに視線を外して嘘なんかつけなくて、つきたくなくて正直に彼女の疑問に答えたのならば、心配していたのだと、だって彼女は自分たちの”ね〜ちゃん”なのだから当然だ。ちらりと彼女の顔を見遣り顔色などを窺う、倒れたときの顔色は見ていないけれどそれでも健康的な色に見えて安堵の息を吐き、言葉の続きを紡ごうと口を開こうとしたすんでのところ。聞こえた声にぱちりと数度瞬きを、)…、当然じゃないですか。来てくださいよ、許可なんか取らなくても…来ていいんです。だって、俺たち!ずっと空さんがくるの、待ってたんだから!…ずっと、怖かったんだ。空さん、連絡ないし来てくれないから、俺、……(そんな訳がない、きっと彼女だって心配かけたくないなんて思っていたのかもしれないから、彼女の行動は寂しく悲しく怖く感じたけれどそれでも、その気持ちもほんの少し分かるから。首を振りへらりと笑みを浮かべたのなら、)待ってます、放課後…皆と!だから、来てくださいね!…ね〜ちゃん。(時間がない中少し纏まりのない言葉たちになってしまったが、今何よりも伝えたい言葉を彼女に伝えよう。走り去る彼女の背中に向かって告げた小さなけれど優しい声色のね〜ちゃんは果たして彼女に届いただろうか。一人恥ずかしそうに、廊下を歩きだし教室へと戻っていこう。)