桔梗 同田貫正国





01

同田貫さん、お疲れ様です。疲れてはいませんか?


(遠征に出ていた第二部隊が帰還した。その報告を近侍から受けたのなら、作業の手を止めて自室を後にする。彼らを出迎えるために玄関へと向かうのだ。——最近、資材の管理が疎かになっていた。気が付けば手元の資材が少なくなっていて、急遽、遠征を行わざるを得ず。今の第二部隊には無理をさせてしまったのではないかと、肝を冷やしながら帰りを待ちわびていた。焦る気持ちを抑えてゆったりとした足取りで玄関を目指すのは、己の中の焦りを落ち着かせるためでもある。)……おかえりなさい。(丁度、玄関の戸が開く頃に辿り着く。次々と姿を見せた隊員一人一人に労わりの言葉をかけて、最後、隊長を任せていた刀剣男士を呼び止めた。)同田貫さん。……おかえりなさい、お疲れ様です。その、とても助かりました。(緩く口元に弧を描き会釈を。しかしその笑みはすぐに消え、申し訳なさそうに眉を下げた。)今回は突然お願いしてしまってごめんなさい。審神者になって結構経つのに、迷惑ばかりかけてしまって……もっとしっかりしないと駄目ですね。(気持ちと比例するように、つい視線も床へと落ちてしまう。弱音を吐いてしまったことにはっとして、ふーっと息を小さく吐き出しては、顔を持ち上げた。真っ直ぐに彼を見上げよう。)今度、新たな戦場に向かってもらおうと思っていて、その部隊に同田貫さんにも加わって欲しいんです。……あ、もちろん今すぐではなく、疲れているでしょうし。(自室で先程まで考えていた計画を伝える表情は真剣そのもの。きゅっと唇を引き結んで、些か緊張しているようにも見えるか。事実、新たな戦場に向かわせるのはいつだって不安だ。それでも、信頼する彼らならきっと大丈夫だろうという思いがあり。)……頼りにしてます。これからも、お力を貸して頂けると嬉しいです。(穏やかな微笑みを浮かべて告げるのは、嘘偽りのない思いだ。)

疲れてなんかねぇよ。で、次の出陣はいつだ?

 

(第二部隊に編成されその部隊の隊長を任されたとき本丸の資材がもう残り僅かで、どうやら遠征に行かざるを得ないとの報告を受け、我らが第二部隊がその遠征へ行くこととなった。敵を薙ぎ倒すことも出来、かつ刀剣たちの傷を治すにしても鍛刀するにしても何にしても資源は必要物資だ。それに自分たちならばすぐにでも動けるのだから適任ではあるだろうと納得して見せて、「了解」そう答えたのならば隊員に確認した後遠征へと出ようか。―資源が僅かだということはたくさん持って帰った方がいいだろうと資源を拾いながら、現れた敵を斬り倒しを繰り返し、数時間が経った頃。キリが良いだろうと時間を見たのならば、帰還することを隊員へと告げよう。全員が集まり帰還し始めたとき、ふいに道端で見かけた小判箱も持って帰ろうかと持ち上げて己も隊員たちと一緒に帰還するはずで。――無傷とは言えなくともかすり傷程度で第二部隊は本丸へと帰還することが出来た。玄関の戸を開けて次々と入っていく彼らを見て最後、自身も玄関へと足を踏み入れたのなら、)…おう、今帰った。俺にかかりゃこんなモンだ!これでしばらくは困りゃしねぇだろ。…それとこれ、拾ったからアンタに渡しとくぜ。(どさり、玄関上がった少しのところに先ほど拾った小判箱を置いたのならば、それなりに重たかったのか肩をストレッチするように腕をぐるぐると回してみたりして。「どっか違うとこ置くなら他の奴に言ってくれよ。」そんな事を言いながら彼女を見遣り、)謝んな。次回から気を付けりゃいい事だしアンタがそんなんでどうする。俺は、…別に平気だ。気にしすぎて一人で滅入ってんなよ。(剣を振るい強さを力を見せることができたのだから少なからずこちらとしてはマイナスなことはない。隊員も一人もかけていないのだからそれでいい。視線も下がっている彼女にどうしたらいいのか分からなくて、宙に浮いた手は一度頭に触れようとしたけれど、出来なくて、不格好に浮かんだままの手は暫く彷徨うことになるのだ。彼女が顔を上げるタイミングでパッと手を下げた為にきっと気付いていないだろう。)へぇ…新たな戦場?いいじゃねぇか、俺なら今すぐにでも構わないけどな…あー、…アンタにまた滅入られても困るし準備してからその部隊に加わることにする。…心配すんな、ってのは無理にゃ話かもしれないが、…任せとけ。(新たな戦場、そう聞いたのならばニィッと嬉し気に笑みを浮かべては今すぐにでもなんてやる気に満ち溢れて返事をするのか。けれど、きっと優しい彼女は不安で心配で仕方ないだろうから、不器用な自分ができる事なんて無いかもしれないけれど、それでも。)…力ならいつだって使ってやる。(斬るために、そして、守るために、そう固く誓って。)