桔梗 同田貫正国
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同田貫さん、近侍のお仕事お疲れ様でした。
(さて、彼に近侍を任せてから一週間以上経った時のこと。本日の業務を終えたのは日が暮れた頃で、書き終えた書類を封筒へと入れて机に置いた。審神者の部屋にて、報告書を書くのが毎日の日課になっている。)終わった〜……。(近侍がこの場に居なかったら机の上に突っ伏していたところだが、だらしない姿を見せないようにと、呟くだけにとどめて。座り直したのなら改めて彼の方へと顔を向けた。)同田貫さんもお疲れ様でした、今日のお仕事終了です。それと、近侍の方もお疲れ様。明日から別の方にお願いしますね。(感謝の意を込め、深々と頭を下げよう。そうして、近侍の最後の仕事として、次の近侍への引き継ぎをお願いするのだ。これも恒例となっている。)私、ちゃんと審神者として出来ていましたか?(顔を上げて、彼に問うてみようか。その顔に悲観の色はなく、ちょっと照れたように微笑みながら。近くで見ていた彼にはどのように映っていたのか、聞きたかった。)もし何か思うような事や、言いたい事があれば遠慮なくおっしゃってくださいね!(少しでもよい審神者として、刀剣男士の主人として立派に在りたいという思いは本当。彼によく思われたいという、自分勝手な欲も少々。微笑みを浮かべたまま、彼の評価に静かに耳を傾けるつもりだ。)
ああ、アンタもな……お疲れさん。
(近侍を任されてから一週間以上経っただろうか。大体の交代期間は把握しているからそろそろ終わる頃だろうか。そんなもう少しで終わるであろうこの時間にひっそりと思いを募らせながら本日の業務を黙々とこなしていくこととなった。―日が暮れたころ、頼まれた業務を終わらせ審神者の部屋で待機していれば暫く、審神者の業務も終わり何事もなく終えた事にそっと息を吐いて、)――おお、終わったか。(報告書を書いている審神者の姿をほぼ毎日のように見守ってきた。様々な業務を行う彼女の姿はいつも真っ直ぐで頼もしいものだなと近侍を久しぶりに行うことで改めて感じられたのだからたまにはこんな時間も悪くないな、なんて。)お疲れさん。俺は言われた事終わらせて待機してただけだ、気にすんな。お、今日で終いか…了解、次の奴には俺から引き継ぎしとく。(彼女に倣い深々、とまでは行かないけれど頭を下げ労い、やはりといった様子で近侍の交代には素直に頷き次の近侍への引き継ぎという恒例となっている最後の仕事を頭に入れてそう声を掛けたのなら、)……んあ?(唐突な問いに思わず間抜けな声が出てしまう。ぱちぱちと幾度か瞬きを行い、あー…と声を出しぽりぽり、人差し指で頬を掻いて、)…ちゃんと出来てただろ。出来てなかったら最初から遠慮なく言ってる。っつーか、気にしすぎ。……アンタが主で頼もしいよ。(照れ臭さを隠すように、呆れたようなため息を一つ吐きつつ近侍をすることで彼女の存在の大きさを少しくらい素直に伝えてやろうかなんて言葉を紡いで。)…だー!言うっつーの!もう俺は行くからな、俺が近侍じゃねぇからって次腑抜けてたらそん時は鍛錬つき合わせるぞ!(何だかむず痒い感じに耐えきれなくなりガバッと勢いよく立ち上がったならそんな素直じゃない言葉をぶつけて審神者部屋から退室しようか。―ああ、何ムキになってるんだ…退室してしばらく歩いて廊下にて後悔するようにため息を吐く同田貫の姿があったとか。)
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