日生あい 那岐
06
指名キャラ名(ジャンル名):那岐(遙かなる時空の中で4)
設定/関係性:現代に転移した時が初対面だが、それ以降は幼馴染として葦原家でともに過ごしていた相手。千尋ちゃんの護衛当番を代わったり料理当番を代わったりして毎日を過ごしている。なんだかんだ言って千尋ちゃんを想ってくれて守ってくれる那岐くんのことを根っこから信頼しています。
おかえりなさい、那岐。ご飯できてるよ。
(それはまだ、中つ国の軍師殿が現代にまろび出る前の話。秋の夕暮れにスーパーのビニール袋を揺らしながら姫君と稲穂野原を歩んだ思い出。そしてそれに付属するのは彼ら武官と鬼道使いが、教師と学生の裏の顔だった想い出。――ちいちゃん、と呼び掛けて、スーパーの袋の中身を姫君と確認して、今日の献立のリクエストを聞く。葦原家は食事当番制ではあるのだけれど、姫君にことのほか甘い武官と女官のせいで食卓に上るのは姫君の好物が多い。例外としては姫君がご飯を作る時くらいだ。)あ、うん、今日はキノコ尽くし、…ほら、那岐の好物。誕生日だもん。(9月15日は彼の誕生日だ。そんな日にまで護衛当番を代わってもらってあれこれと湧き出る荒ぶる者たちの相手をさせてしまっているのは申し訳ないのだけれど、だからといって自分に戦う力が備わるかといえばそれはまた別問題であるからして。姫君は料理の手伝いを申し出てくれただろうか。そうであるならば女二人が台所に立って、にぎやかに姦しく、大切な幼馴染への料理は完成するに違いない。)――那岐、お帰り。(今日は彼の帰りがいつになろうと出迎えることを決めていたから、彼が葦原家の敷居をまたいだ時に声をかけた。和風キノコのパスタに、サラダやスープもキノコ尽くし。レパートリーには当然あるそれらを一気に放出するのはあまりないことだ。どちらかといえば栄養バランスや味いろどりを重視している日生の献立は、何か一つの食材を用いるのに偏ることはほとんどないといっていい。だけど、誕生日の時くらいは、食卓を好きなもので埋めてしまいたくもなるのだ。戦えない私から、戦えるきみに、という、ただそれだけではなくて。)いつもありがとう、これからもちいちゃんをよろしくね。わたしとも、風早せんせいとも、なかよくしてね。那岐が一緒で、よかった。(口さがないものたちではなくて、宮廷内の勢力争いではなくて、無関心なようでいて優しい彼が共にいてくれること。生まれてきてくれたこと、姫を共に守ってくれること。すべてが日生にとって感謝の気持ちに通じることに他ならない。ハッピーバースデイ、大好きな友達。それだけの純粋なきもちだった。)
ん、はいはい……、ただいま。
(ああ、なんていい天気なのだろう…穏やかとは言い難いこの情勢とは違って天気はこんなにも穏やかなものである。こんな天気は昼寝にかぎる、この生きがいをとられてはもう何もする気が起きない、なんて小さな欠伸を零し薄れていく意識の中、浮かんだのはこの世に戻る前の現代で起こったとある日の出来事。――くあ、と欠伸を一つ零しポケットに手を突っ込みながらゆるりと向かう先はとある存在の気配のする場所、中つ国の姫である幼馴染を狙う輩が潜んでいる所へと向かうのだ。湧き出る荒ぶる者たちはどんな日であろうと姫を襲いにやってくる、そんな者たちを倒し姫を守っているのだけれど何故一学生がそんなことを、なんて言われれば自分もこの世界の者ではないからだと言う他ない。女官である彼女から護衛当番を代わってほしいと言われ彼女よりは戦う力はあるからと渋々と承諾した次第である。その分料理当番を代わってもらったりしているため苦にはならないが、本日も湧き出てくる輩を面倒くさがりながら倒していこう。それでも面倒くさがってしまうのは自分の性格もあるのだから致し方ない。)ま、こんなモンかな。(ざっと消え失せた気配に、一つ息を吐いたのならば無意識に伸びていた背筋をだらけさせよう。もう少しで暗くなる、手間取ったわけではなかったけれどいつもより多く出現したそれらに舌を打ちつつ、今や自分の家となった葦原家へと自然と歩を進めて、無事に家へと戻ってきたのならば敷居をまたいで、)――は、何…吃驚した。…ただいま、。……え、もしかして待ってたわけ?(出迎える彼女に驚きつつも返事をしたのなら、もしかしてまさかなんて疑問を投げかけた。どういう風の吹き回し?なんて生意気にそんなことを言ったりして――食卓を覗き込んで、目を瞬かせた。まんべんなくキノコ尽くしである。好物であるキノコと珍しいその光景に口を半分開けたまま彼女を見遣り、そしてこの日のことを察する事となる。)…自分の誕生日なんて、忘れてたよ。(ぽつり、そう呟いたのなら料理を見て、彼女を見て、)…はいはい、わかったよ。よろしくされとく。……今更、僕からの言葉なんていらないでしょ。(同じ気持ちなのだから、なんて素直な言葉は口からは出てこなかったけれど。ふいと視線だけ外した頬はほんのりと紅く染まっているのだけれど果たして彼女は気付いただろうか。どうであれ、この日のあの料理の数々と彼女の優しい気持ちはずっと忘れる事のないものとなるのだ。―す、と目を開けると空は夕暮れオレンジ色。優しい想い出に温かなオレンジに、一人口元に弧を描いた。)
HOME