リズベット・マルティン ユーリ・ローウェル
この過ぎ去る一瞬さえいとしい
01
なぁんか、再会してからご縁がありますねぇ。ユーリさん。
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名前(ふりがな):リズベット・マルティン(りずべっと・まるてぃん)
指令:リズベット・マルティンは『ハグしないと出られない部屋』に入ってしまいました。
指名キャラ(ジャンル):ユーリ・ローウェル
容姿:170cmという高身長女子。いつも着ているチャイナ姿。
設定等:トリム港での束の間の逢瀬後。
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(ぱち、と目が覚めると真っ白な部屋の中にいた。横になっている所為で視界は真っ白な天井しか見えぬが、己が寝る前に見た風景とあまりにも違うという事態にぽつりと、)……ここ、どこ。(そんな一言しか出てこなかった。よいせ、と起き上ってみれば壁も床もまぁ見事に白い。そして傍らにはつい最近会ったばかりの男がおり、)いやぁ……世の中、窓もドアもない部屋に人を放り込める不思議な輩もいるもんなんだねぇ…。(苦笑いしながらそう言うなり立ち上がり、部屋の様子をもう少し探ろうとした――そんな折、空から声が降ってきた。耳に届いたのは簡潔かつ丁寧な説明で、)……はぁ、なるほど?じゃあユーリ、ハグしようか。その程度で出られるならちゃっちゃとするべきだわ。(ふぅん、とアナウンスに対して声を小さく漏らしたかと思えば、くるっと彼へ身体を向けると、堂々と手を広げて見せた。にこりと笑って彼が来ることを待っている様子は、お互いが異性であることを然程気にしていない様子である)
本当あの会えなかった10年間が不思議に思えてくるね。
はあ?(思わず歪められた顔に吐き捨てるような声。それもそのはず、可笑しいのだ。自分は宿屋で寝ていたはずなのだから、こんな真っ白な空間、どうやら扉もないときたもんで警戒心が全開になるのも頷ける。しかも傍らにはもう一人の幼馴染である彼女が横になっているものだから思わず目を見開いて、まずは彼女の安否を確認するのか。)…は、生きてる、か。怪我もなさそうだが…(ほっと胸を撫でおろし、まだ目覚めない彼女から出来るだけ離れない様に部屋を探っていたのなら、目覚めた彼女に再度安心しつつ同意するように頷いて見せて、)…そうだな、しかも俺の仲間じゃなくてリズとこうして閉じ込めるってこったァ、それなりに俺らの関係も把握してんのかもな。…お前のストーカーだったり?(ふっと浮かべた笑みは確実にからかっているソレなのだけれど、もしかしたらどこかにいるかもしれない敵の存在への警戒心は確りと。―すると、聞こえてきた声が説明した内容には、ひくりと口元が歪められることになるのだけれど。はあ、とため息をついた後…「そんなことするワケないだろ、な?」と同意を得ようと彼女の方へと顔を向けたのならなんともにこやかな、手を広げた彼女がいるのだから、)……は、あ?おいおい、お前なぁ…。その程度って言えばその程度だが、一応俺男。そんでリズは女。…意識、されても困るモンだがそれはそれで…。(ちらりと彼女を見て、にこやかななんとも愛らしい幼馴染に、思わず頭を抱えてしまったのは許してもらいたい。)……ハグ、お前恥ずかしくもないのかよ。
確かに。今はお互い会いたいと思ってるから縁があるのかもね。
(己が目覚める前、彼が心配してくれていたなど知る由も無く。己の言葉に同意を示した彼の言葉に頷き、腕を組んだ。まず人並み以上に戦うことが可能な彼と己を同じ空間に入れるなど、相手方にしてみればデメリットしかないような…。そんなことを咄嗟に思いつつ口は動かして)まぁきっと関係性については正にその通りなんだろうけど――ストーカーってそんな………いるワケないって!いたらすぐに現行犯確保して然るべき対処してるってーの!(そんな折、投げかけられたからかいの言葉に笑って言葉を返しかけたが咄嗟に、トリム港で彼と会う前の一件を思い出して不自然なほど間が空いた。あれは、果たしてストーカーに入るんだろうか。えー…うーん…まぁでも最終的に撃退出来たしまぁいいか!そんな自己完結を脳内で済ませた後に明るく笑い飛ばすのか。その後、アナウンスに素直に従うことが近道だ、と暗にそう言ってみた所の幼馴染の反応は大いに予想外であった。伸ばした腕をひっこめつつ目をやや丸くして、きょとんとしてしまうが段々彼の反応を見ているとこちらまで気まずく、気恥ずかしい気分になってくる。ふぃ、と顔を少しだけ逸らし腰へ片手を当てたなら)…恥ずかしいとか、あんまり考えてなかった。っていうか、フレンならきっと躊躇うだろうけど、相手はユーリだし乗り気じゃないにしろ、してくれると思ってたから…。(浅く眉根を寄せており、悩ましげに眼を細めて静かに答える表情に薄らと赤らむ頬が、内からにじみ出る気恥ずかしさを露にしていて。併せて緩やかに下がった眉が、只今絶賛狼狽え中であることを示しているのだろう。言葉を切った後、おずおずと彼の方へ顔を向け直し)…壁を破って突破できないか、試してもいいけど…どうする?手っ取り早く、提示された方法を試す方がいいんじゃないかって気はするけど…ユーリが嫌なら無理強いはしない。
…あー、はいはい。よくそんな恥ずかしい事言えるな。
(さて、どうしたものか。敵がこの場に居たのならこんなに悩むことはなかったのだけれど。戦闘ができる二人であり、以前に言っていた共闘とやらをするチャンスでもあったのかもしれない。―自分のからかいの言葉には不自然な間が空いて返事が返ってきたのだから思わずきょとりと目を丸くして、そしてニヤリと意地悪気に笑みを浮かべ、)…お、なんだ?なんか思い当たる節があるような感じだったぜ?リズも隅に置けないねェ。なんて、…まぁ、気を付けろよ。(その間がただの思い過ごしならいいのだけれど…そんな思いでからかい笑いながらも心配の言葉を伝えようか。言葉では軽く感じられるだろう。何より彼女は戦うこともできるし弱くはないであろう、が、大切な幼馴染なのだ、心配しない訳がないのだから。――そうして目の前でにこやかな彼女を見ては、これだから変なのに好かれるんじゃ…等心配が増してしまった事は秘密にしておこうか。自分の言葉に引っ込められた腕をみつつ照れ隠しか、頬を指で軽く数度掻いて、)…考えてなかったのかよ…ま、誰にでもこういう事するわけじゃないならいい。悪かったね、俺の方が躊躇って。……わっかんねェぞ?フレンの奴は立派な騎士様だから、リズの為を思ってすぐしてくれたかもしれない。(悩ましげな、微かに赤らむ頬を見ることが出来たのなら、こちらまで伝染するようにじわりと頬が赤らむのだけれど。そんな彼女の動揺が確認できて、少なからず満足げに笑みを浮かべたのなら、)別に、ハグが嫌な訳じゃないしリズだから嫌だってのもない。……ただ、幼馴染でも男にゃ気ィ許しすぎんなってこと。(小さなため息を吐いたのなら、彼女の方へ顔を向けて。彼女の提案には楽しげにくつくつと喉を鳴らすことになるのだけれど、)俺らなら、こんな壁突破できそうだけどな。ここで拳合わせて協力するのも有りっちゃ有りだが……、(ほんの少しの間を置いて、もう一度頬を指で掻いたのなら控えめに腕を開いてみせようか。「ハグ、するか?」なんて緩く笑みを浮かべて、―しばらく反応が見られないのなら、彼女の腕を軽くひっぱってこの腕の中に閉じ込めるつもりなのだけれど、さて、彼女は自分の腕の中に飛び込んでくれるのだろうか―?)
まぁ別に、恥ずことではないし…ていうか…否定されなかった……。
(からかうような口調ながらも最後に付け加えられた一言からして、彼が己を案じてくれていることは明白で。その心配が一体どれほど重さを持つかまでは定かではないものの、無下にすることもできないと思えば、ふは、と小さく笑えば肩をすくめて)あったりまえでしょ。これでもお声掛けないワケじゃないんだからね、私。…ま、仮にストーカーしてくるような輩がいたとしても、そう言う奴にまともな人なんていないから十二分に気を付けてるわよ。尾行されたってよほど上手くなきゃ気付くしね。…自分の身は守るから大丈夫だよ、ユーリ。(正直なところ、状況次第では無理をしないとは限らない。が、口が裂けても言えない己はただ薄く微笑んでそう言うしかなかった。実は面倒事を抱えていると言えば抱えているのだが、それはまた別のお話。しかし口にしたこともまた事実であり、彼を見遣る瞳に偽りの色は無く、ひたすらにまっすぐで。)ふぅん。まぁ…言われてみれば確かに、私の為っていうより互いの脱出のために潔く腹括ってハグしてくれそうな気はするかも。…騎士の鎧が冷たそうね、とても。(彼のとの間に上った、もう一人の幼馴染の話。彼の言葉を聞くと、確かに想像に難くもない気がして一人頷きコメントした後――ふと、抱きしめられるのを想像してみた。浮かんだ感想は色めいたものではなく、色気の欠片も無い現実的な類のそれを思わずぽつりと呟いた。そんな雑談のお陰で動揺も引きつつあった頃、彼がどうにも満足げなのが少しばかり悔しい。恐らく、己が見せた先程の態度が原因だろうと察するものの、感情的に怒る気にもなれないのは中身が成長したのだと思いたい。静かに、しかし解せぬといった顔で彼の言葉を最後まで聞き遂げたなら大きく溜め息をつき、)…まったく、そういう顔できるなら最初からそういう顔しなさいよ。変に意識させられてカッコ悪いとこ見せたじゃない。(赤面し、狼狽えるなどという醜態など、殆ど周りに見せたことがないのだ。それを寄りにも寄って彼に見られたというのは我ながら地味に恥ずかしいのか浅く眉を寄せる表情は複雑そうな苦笑いで。大人しく、控えめに開かれた腕の中に納まろうと距離を縮めて彼の首に腕を回し、ぎゅっと抱きつくと肩口に顔をうずめ、また大きなため息を零し、)…ホント、変に意識させないでよね。それに、もう信用してる奴に対してどうやって気を引き締め直せってのよ。――っ、……バカ。(ややくぐもった声音で、しかし彼にはしっかりと届く音量で呟くうちに、彼の腕は己の背に回ってこの部屋からも出られるようになるだろうか。それがなんだか名残惜しいような気がするのは、きっと気のせいだろうと心の隅に追いやって、つい言ってしまいそうになった「貴方が特別である」という旨の言葉を飲み込み、今はただ一言の短い罵倒を静かに優しく呟くだけに留めておこう)
なんだ、否定でもしてほしかったのか?
ま、だろうな。俺のトコに居るおっさんもお前の事絶賛してたしあの頃と比べたら…綺麗になったしな。成長してない方がおかしいけど。……、ハハッ!違いねェ!まともだったら、そんなことしない。ただ、どうしてもって気持ちが強くなったらどんな奴だって分からないからな。とりあえずは…了解って事にしといてやるよ、リズ。(彼女の強さは想像でしかないけれど、それでも彼女の事は、言葉は信じているから。真っ直ぐな瞳を見つめながら笑みを浮かべたのなら同意するように軽く頷いてみせようか。)お前のためが強いだろうけどな。案外さらっとやってのけそうだ。…想像してそんな感想が出てくるとは思いもしなかったが…本当に意識してないんだな、リズは。(きっともう一人の幼馴染を思い浮かべているであろう彼女の感想にがくりと思わず肩を落とすことになるのだけれど、まるで意識されていないらしい己たちに苦笑いに小さなため息を一つ吐いてしまおうか。こんなちょっとした雑談でも気を緩めて楽しめてしまうのだから幼馴染様様、といったところか。満足げな己に対し彼女の表情の変化に、また楽しげに笑みを浮かべたのなら、)悪かったって。…ただ、男はいつだって、意識されてた方が嬉しくて舞い上がるモンでね。(幼い頃もあまり見られなかった新鮮な姿が見られて、自分だけが見られたのだと優越感を感じてしまっているのは秘密にしておこう。開いた腕の中に、首に彼女の体温を感じることが出来たのなら、一度ポンっと軽く彼女の頭を撫でて。)意識されなさすぎるのも、自信なくなるだろ。一応男なもんで。――…はいはい、…悪かったよ。(冗談っぽく告げた言葉をぽつり。けれど、彼女の言葉を最後まで聞いて次いで出た言葉は思いのほか優しく笑って謝罪を述べるのだ。言葉と共に彼女の背に腕を回そう。一瞬に感じられた彼女の体温はあたたかくて、優しかった。――目を覚ますと、そこは記憶通り宿屋だ。上半身を起こして周りを見るとまだ体を休めている面々がそこにいて、あの白い空間はどこにもない。あの出来事は果たして夢だったのだろうか…?無意識に開いた腕には確かに感じたあの温もり。「…まさか、な。」あの空間が嘘幻だったとは、言わせたくない。だってほら、こんなにも、)女々しいったらねェな…ったく。(赤く色づく頬を隠すように熱を逃がすように手をぱたつかせようか。照らされる月明かりに彼女を思い出しては、ああ、もう今日は眠れそうにない―。寝ても彼女に会えないのだから、どうせなら今日はもうこのままで―、なんて。)
そういうわけじゃないけど、照れ隠しで「思ってねぇよ」くらいは言われるかと思ってた。
そうねぇ、10年経っても何も変わらなかったらその方が驚きよ。…私もユーリも変わったね。私は昔のまんまでいられなくなったから、髪も伸ばして言葉遣いも直して、今に至る訳だけど……その結果、ユーリから褒めてもらえるなら頑張った甲斐があったってものね。ありがとう、あなたもホントに魅力的よ。(彼に綺麗と言われたのは、これで確か二度目である。一度目の言葉をリップサービスかもと思ったのは今でも思い出せる。しかしこの度はそうとは思えず、素直にはにかんで見せると彼にも心からの賛辞を送ろう。そして「いつかは内面的な部分も褒め合えるといいわね」なんて言葉を付け加え、)……ありがと。ま、私は大抵一人でうろうろすることばっかりだから、もしご縁があれば助太刀よろしく。あまり借りは作りたくないけど、助けてくれたら相応にお礼はするから。(いくら幼馴染とはいえ、空白の10年という月日は長く互いについて知らないことは山ほどあるかもしれない。にも関わらずひとまず信用してくれた彼の心意気にそっと息をつき、礼を述べると最後にギブ&テイクの関係をそっとお願いしてみるのだった)……いや、まぁ、大人の男だって思ってないわけじゃないのよ?異性としての魅力を感じるには感じるけど……認識が昔からあんまり、変わってないのかもしれないわね…。ちょっと改められるように努力してみるわ…。(苦く笑う彼の言葉に、腕を組んで眉を寄せると首を捻る。素直に何故だろうかと考え、素直に所感を話しつつ思い悩んだ結果、乾いた笑いを漏らし「残念な女で誠にごめん」と謝罪するのか。そんな危機感も皆無な話題で会話ができるのも、互いに見知らぬ人間でないからというのも大いにあるのだろう。肩の力を抜くようにため息をついて、)舞い上がる、ねぇ。…ま、楽しそうにしてるから多少は舞い上がれたんでしょうけど…なんか、今まで恋愛してなかったツケが来た感じがするわ…。(こうも己が意識することが出来ていないのは、今の今まで恋愛をしようと思っていなかった故かもしれない。異性をそういう目で見るということをしていなかった。だからこそ男性も多くいるギルド社会で、尚且つ父が騎士団上がりの首領であることを突かれても気丈に生きてくれたのだろう。苦々しい複雑そうな表情になるものの、冗談のように告げられた言葉には思わず小さく噴き出した。「色男が何ってんのよ」なんて。そうして間もなく、背に彼の腕が回されたその瞬間に心が小さく音を立てたのは此処だけの話だ)――…?(ふ、と底から水面へゆっくりと浮上するように意識が覚醒する。月明かりが煌々と差し込む部屋は、確かに彼が身を置く場とは別の宿屋だ。横向きで寝ていた身体を起こすと、肩にかかっていた毛布がずり落ちる。窓の外を見ればよく見知った風景だ。「…夢、だったのかな」ぼそりと一人うそぶいた一言が虚空へとけた後、首を捻る。夢ならば、彼の存在をしっかりと感じることなどできないだろう。腕に触れた布や髪の感触も、僅かに感じる体温も。思い出す様に記憶を辿ると、自ずとほんの僅かに鼓動は速度を速めて頬は再びじわりと熱を持ち、大きく溜め息をつくとそのままベッドへ倒れ込み)…誰かに焦がれる、なんて。私のガラじゃないのにね。(ふと零れるのは自嘲にも似た苦笑。月明かりに照らされ、青白く明るい反面、影を濃くする室内など見慣れている筈なのに、寂しく見えるなんて、とんでもなく重症なのだから)
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