八神優理 降谷零
甘えたわんこ部下 トリプルフェイス上司
03
忙しすぎると甘い物食べたくなって体重がってなりま…せんよね、降谷さんなら…。
(慌ただしく仕事をしている部署から出てくるのは一人の女性。急いだようにきょろきょろとしているのは誰かを探しているからか。そう、彼女の今の任務はとある男性の足止めだ。彼がコーヒーを買いに行くと出た数分後に部署内で「八神!お前の任務は降谷さんの休憩時間か睡眠確保」と、命を下されきょとんとした表情をしたのは先ほどの事。自分にできる任務か?と言葉にしなくてもわかりやすい表情をしていれば、男が行くよりも女の方が良いと言う面々。ましてやいつも止めてくる風見までもが言うのであれば、断る理由なんてない。行ってきまーす!と、元気よく返事をすれば彼を探しに行くべく、公安部所を後にする。公安部所より一番近い自販機まで急いで来れば、見つけた彼に)降谷さん!あたし、命令が下されました!聞いてください、これできないとあたしみんなに怒られちゃうんです!だから、この命令をきちんと遂行させたいんです…なので!降谷さんご協力お願いしますね!降谷さんの協力なければ遂行できない任務ですよ!(彼が自販機で飲み物を買い、取り出したのを確認すれば、がしりと腕をつかんで引っ張るのだ。力では叶わないことは知っている。が、そこは彼女も必死である。両手でがっしりと掴みなおしてこっちと言わんばかりに彼を引っ張るのだ。そんなこんなで、彼を近くの長椅子まで座らせることができたなら、)降谷さん!あたしの命令ってのがですね?降谷さんに長めに休憩を取っていただくことなんです!なんであたしが!とか言わないで下さいね!正直な話、自分でなんで?って思ってるくらいなんですから。あたしが近くにいたら降谷さん気楽に休憩できないじゃないですか…。降谷さんが隣に居るって言うのに黙ってるなんて事できないし…(この任務ある意味失敗?なんて困ったような表情をして悩む彼女。だが、みんなが推してくれたのだ。こうなってしまうのは想定内の事であろうと―。だったら、逆に喋って疲れさせ長めに休憩を取ってもらえればいいのではないかと考えるのだ。)あ、そうだ!あたし、クッキー持ってきたんですけど…食べます?あたし、食べたんで大丈夫だとは思うんですが…!ちなみにあたしが作ったか市販かは内緒です。降谷さんが思った方が当たりってことで…(どーぞと、顔を背けて袋を彼に見せる。昨日、疲れてるみんなにと家に帰った時に作ったクッキー。彼が居ない時に部署内に居るみんなには渡せたが、彼にだけは渡せなかった。彼にあう味かあわない味か―。それを考えると怖くなってしまい渡せなかったのだ。だけれど…食べて欲しいと思う気持ちが増さり渡そうと決断したのだ。彼が受け取れば、背けていた顔を彼に向け嬉しそうに微笑み、受け取る動作がなければそのままポケットへと戻すのであった。)あ、そうだ降谷さん今回寝れないほど忙しいです?降谷さん忙しかったら寝ないからってみんな心配してましたよ?風見なんていつもはあたしが行こうとしたら止める癖に今日は止めずに行って来いですからね。それだけ、みんなに心配されてるんですよ?あ、食事もです!睡眠と食事!人間に大事な物ちゃんとしてます?降谷さん倒れちゃったら何人の人が泣くと思います?…今いる人たちの半分が泣くとか思ったら怖くないですか?ほぼ男所帯なのに…。ある意味ホラー映画ですからね(両手で自分を抱きしめた動作をすれば、ふるりと身体を揺らして、)そうならないためにも睡眠と食事ちゃーんととってくださいね!特に睡眠!食事は数分あればできるけど、睡眠が結構時間いりますからね!あー、あたし仮眠室まで連れて行けば一番よかったですかね?そしたら寝てください!なんて言えたのに…ここに座らせるの失敗した!(うぅっと唸りながら頭を抱えて。はっとした表情をすれば、ちらりと彼の方を見て、)ふーるやさん!(ポンポンと自分の膝を叩けば、笑って)とりあえず、硬くない保証しかできませんがね!寝心地は自分で寝たことがないから全然わかんないですけど…とりあえず…寝てみます?(こてんと首を傾げて彼の反応を伺うのだ。彼が拒否したなら、膝枕が嫌なら仮眠室まで行きましょうね?なんて有無を言わさずに連れて行くのだ。もし―、彼が寝てくれるのであれば…驚いた表情を見せるのだ。自分の予想に反した彼の行動に顔を赤くして両手で隠す。だけれども…自分で言ったのだから恥ずかしくなっている場合ではない。昔―、母親がしてくれてたように、微笑みながら優しく彼の頭を撫でるのだ。少しでも彼が眠る事が出来ますように願いを込めて―。)
ならないな、そもそも忙しい時にはコーヒーだろ?
(今日で何徹目だったろうか。浮かび上がりそうになる欠伸を噛み締めたのならパソコンに向かっていて硬くなり疲れ切っているはずの体を伸ばした。体は疲れていても任務にはもちろん支障がないようにしているのだけれど。疲れている者など山ほどにいる、休める時には休んでいるのだから弱音も疲れも自分だけ見せる訳にはいかないのだ。何よりも、この大事な国のために。ちらりと頼りになる部下たちを見たなら、近くに居た部下に「少しコーヒーを買いに行ってくる。」と声を掛けたのなら公安部所を後にしようか。―部所から一番近い自動販売機はどこにあったか…?どうやら任務以外の思考が衰えてきているようだ、誰も居ない道に口元に手を置き先ほど堪えた欠伸を小さく零したのなら、一番近いであろう自販機へと足を運ぶはずで。目的の場所へとたどり着いたのならお金を入れコーヒーのボタンを押すとガコン、と落ちる音。と同時に聞き慣れた彼女の声が耳に入る―)…、なんだ、俺の協力がないと遂行できない任務?…何かあったのか?ケーキ作りならこの間新作を考え……、ああ、いや、違うな、違う。…八神の前だと気が抜ける。(ふっと柔らかな息をついたのなら、コーヒーを取り出した。緩んでしまった気を張るために頭をしっかりしなければとコーヒーを飲んでしまおうとしたのだけれど、掴まれた腕に思わずきょとんとし、必死に引っ張る彼女に「それほど重大な任務なのだろう」と何も言うことなくそのまま歩けばたどり着いた長椅子に大人しく座って、先ほどの任務の話を聞く姿勢になったなら、)ああ、で?お前の任務の話だ。任務……、は?…なんだそれ。全く、やけに睡眠時間とか聞いてくると思ったらそんな事考えていたのか。八神に任せるのは意外だったが…、(心配させてしまっているのは心苦しいしなんだか情けなさも感じるのだけれど、コーヒーを開け一口飲んだなら彼女の話を聞きながらなんとなしに思惑を感じながらもコーヒーを飲み進めるのだ。)八神がクッキー?…へぇ、なんで内緒にするのかはわからないが。……手作り、か?(背けられた顔に、ふっと目を細め「当たりだな、」そう楽しげに告げながら袋を受け取って。後でゆっくり食べよう、ありがとうとお礼の言葉を一つ伝えようか。コーヒーを飲みながらそろそろ業務に戻らなければと重い腰を持ち上げようとすれば次いで出てくる言葉たちに、忠実に長い時間の休憩を取らせる任務を遂行しようとする彼女。もう少し付き合うべきなのかとそのまま長椅子の背もたれに背中を付けゆったりとした体勢になり少しでも体を休めようと、)……そうだな。だが、ちゃんと寝れる時には寝るから心配いらないし、もう少しで片付けられる。あー……、そろそろ風見に何か言われるかと思ったが、八神が来たから…相当気にされているんだなとは思ったが。まるで母親のようなことを言う、倒れるような生活はしていない、…が…、(ホラー映画のような、ふとその場を頭の中で映像化してしまったのなら、ふっと息を噴き出し肩を震わせ、)ッ、それは、ホラーだな、…ハハッ、本当に八神お前は落ち着きがなさすぎる。肝心な時に、考えてること全部筒抜けにするなよ。それじゃあ…考えてることが全部相手に伝わるぞ、(小言を落としつつも楽しげな声、彼女が膝を叩き笑みを浮かべる様子を見たのなら、今度はこちらが頭を抱えることになるのだけれど。)……本当に、お前といると、気が抜ける。(その表情には嫌悪のそれは全くなくて、その逆で。コーヒーとクッキーを移動させたのなら、そっと彼女の膝へと頭をのせるのだ。両手で隠された彼女の顔を見ながら勝気に笑みを浮かべたのなら、)――何もするなよ?(そっと目を閉じ、柔らかなそれにゆっくりと意識が遠のいていく感覚。「すこしだけ、…やすむ。」そう告げたと同時にシャットダウン。緩みきった気は、また後でぴんとしたらいい。今はただ、あたたかな温もりの中で体を心を休めることを許してほしい。―ああ、あたたかいな。―それから数分か、数時間か、それは彼女の足が限界になったときか、部下が声を掛けに来たときか、自分が意識して目が覚める時まで、その時間は続くはずで――)
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