八神優理 降谷零





甘えたわんこ部下 トリプルフェイス上司

04

降谷さん本日は無礼講ですよ!何してもいいんですよ!


(皆が足早に帰っていく公安部所の風景は珍しい。本日公安は飲み会が行われるのだ。彼女のお酒がみんなで飲みたいの一言からまさかの飲み会が開催。そして集まる公安部署の面々になんでこの人たちはこんなにノリが良いのかと首を傾げてしまったのは内緒にしておこう。帰る時に彼女の好きな彼は―、まだ仕事をしており姿が見えない。そんなのはわかっていたつもりではあるが、残念だと思ってしまう。近くの人に落ち込んでるのがバレてしまえば「降谷さんの隣はちゃんとお前にしてやるから落ち込むな!」なんて、笑いながら言ってくる面々に「ちょっと、何そのご褒美?!え、元気になりました!」と、何とも分かりやすい彼女。周りが笑っているのには、嬉しさのあまり気づいてないのであろう。居酒屋へと向かう足取りは軽い。いらっしゃいませーと亭主がこちらを見て言えば、案内されるのは大部屋。さすがに、周りにたくさんの人が居る中で飲めないとなったため、貸し切りで用意されたその場所。面々好きな場所に付き飲み会がスタート。―、さて彼女はいったい何杯飲んだのであろうか。顔は真っ赤になっており、目はトロリとした様子。周りの面々に止められているがお構いなしと言ったようにビールを飲んでしまい、)だってだって!降谷さんがいーないのー!このメンバーで飲むのは正直とーっても楽しいよ!だって、あたしの大好きな先輩たちだって、同期の子だって後輩だっているもん!楽しいけど、楽しいけど降谷さんいないのー!さすがに寂しい!どこ行っちゃったのよー!(だん!っとビールジョッキを置けば、しょぼくれた表情。グチグチと文句をぼやいていれば、開く扉の音にくるりと、そちらを向きお目当ての人と顔があえば途端に笑顔になる彼女の忙しい表情。降谷さん!なんて、叫んで彼の元に近づき、抱き付こうとする。避けられるか―、それとも彼が甘んじて受け入れてくれるか…、どちらにしろ、遅いです!と、怒ったように言い自分の隣の席へと引き連れていくのだ)降谷さん、降谷さん!今日は無礼講なんですよ!だから、何をしても許されるんです!だから、私が何しても許してくれる日ですよね?だ・か・ら!いつも頑張ってあたしに優しくしてください!いや…別にいつもが優しくないわけじゃないんだよ!ただね、ただね!甘やかしてほしーんです!降谷さんに!そしたら、私明日からまたたーくさん頑張れちゃうんです!(えへへーと、笑いながら呟く彼女。周りの事など見えておらず自分の思いにまっしぐら。酔っているからできる行動なのであろう、)えっと、優しい方法がわからないのならですね!名前を呼んで頭を撫でてくれるとかでいいんですよ!それで、よく頑張ってるな!って言ってくれればそれだけで、あたしぜーったいにお花が舞うくらいに幸せになりますもん!だからね?一回でいいんです…ダメ…ですか?(くいっと袖を引っ張りながら首を傾げて彼を見る。さて―、いったい彼女はどこまで酔っぱらっているのか…。周りから見れば完璧に酔っぱらって居るように見える彼女であるが、彼女も立派な公安の人間。いつものように思いを告げる事は恥ずかしくない。だが―、行動に出すのは恥ずかしい。そんな彼女が考えた結果―。酔った風に装えば…なんて、彼にはもしかしたらバレてしまうかもしれないが―。楽しい時間はあっという間に過ぎて行き、そろそろお開きの時間。降谷さん一緒に帰りましょ!と、誘う。彼が断われば、その場で別れを告げて帰るのだ。彼だが誘いにのってくれるのであれば、嬉しそうに彼の腕に抱き着く。彼が嫌がる素振り・離れろと言われるまで彼女の行動は続くわけで…。ああ、この我儘はいつまで続けさせてもらえるのか。)―、大好きです。(ぼそりと呟いた彼女の言葉が彼にとどいたのか届いてないのか―。それは彼女にはわからずで、)

おい、無礼講って言えば何しても許されると思うなよ?

 

(今日は公安部所の面々で飲み会が催される日だ。現場に行くために準備をしている矢先に伝えられた時間に場所、貸し切りにした大部屋の話、小さく頷き、飲み会までには間に合うか、途中にでも参加することができるだろうと現場と業務を思い浮かべて、)わかった、始まる時間に間に合わなかったら先に始めておいてくれ。終わり次第向かうようにする。(飲み会の場所を伝えてくれた部下にそう言ったのなら、現場へと向かおうと進めた歩を一度止めてまた部下の方へ振り向いたのなら、)それと、あまり八神に飲ませすぎるなよ。…暴走しそうだからな。もちろん、お前たちも気を付けるように。(真っ先に浮かんだ女性の名前にそう注意を告げるのだけれど、思わず付け足した理由に自分でも不思議と首を傾げそうになりながら、察せられないように振り返り今度こそ現場へと向かうはずで―。無事に任務を終えることが出来たのなら今の時刻を確認する。思っていたよりも少し遅いくらいの時間がそこには記されていて。あの伝言を残したのだから既に飲み会は始まっているだろう、―存外この飲み会を楽しみにしていた一人らしい。愛車を駐車場に置いて急くように動く足がそれを証明しているに違いない。会場である居酒屋へとついたなら愛想のよい亭主に迎えられたなら、貸し切りで用意したという大部屋へと案内してもらって。目の前までくれば謝辞を述べようか。漏れ出ている声たちにどうやら既にだいぶ盛り上がりをみせている様子。ふっと中の様子を想像しては楽しげにしているであろう部下たちに笑みを浮かべ扉を開けようか、「悪い、少し遅れた。」空いてる席につこうと部屋の様子を確認すれば叫ばれた自分の名、と彼女の姿。避けることもできたけれど、お酒で出来上がっているであろう彼女をみて顔を引き攣らせると同時に怪我をされても困ると甘んじて受け入れるのだ。怒ったようにする彼女に仕方がないだろう、と言い聞かすようにしながらどうやら空いていたらしい彼女の隣の席に素直に腰掛けよう。)おい、八神にはあまり飲ませすぎるなと言っただろう…。ん、止めた…?止められてないじゃないか、まったく…いや、明日に支障がなければそれでいいんだ。八神を止めるのも骨が折れるだろ。(伝言の次に言った注意は残念ながら無駄になったらしい。伝えた部下に説教じみた口調で伝えるがせっかくの飲みの場だ。止めても無理に飲んだのだろう彼女の性格も知っているのだから最後には苦笑いでこの話を終えるのか。そしてまずはとビールを注文して、出来上がっている彼女を横目にみてため息を一つ。)無礼講がすべて許されてると思うなら間違ってるぞ。いったい何杯飲んだんだお前は。俺は十分八神を甘やかしてるつもりだったんだが、気付いてなかったのか?(彼女の会話を聞き答えながら注文したビールが届いたのなら一口、二口と喉を潤してジョッキを置こう。彼女の顔を覗き込んだなら、)俺が優しさを知らない冷血な漢だと思ってるのか?失礼な奴。だけど、そうか…無礼講、か。後からセクハラですとか言い出すなよ?(やんややんやと外野がなにやら言っていたり気にする素振りもせず隣の者との会話を楽しんだりと様々ではあれど彼女の言う”無礼講”なんて言葉に甘えて、くしゃりと、あまり丁寧とは言えないけれど頭を撫でたなら、)人の話を最後まで聞かなかったり暴走しがち。改善の余地あり。だが、――お前が俺の名前を呼んでくれるから、俺は降谷零でいられる。ありがとう。…優理?(手を離したのならふっと笑みを浮かべよう。そっと彼女と顔を近づけたなら「酔ったフリが上手いな。」と囁くのか。楽しげに笑みを浮かべて。どうやら思っていたより自分は随分彼女に甘いようだ。―嗜む程度にアルコールを体内い入れていったならあっという間にお開きの時間を告げる。各々帰る支度をしていれば彼女からの誘い。はいはいと軽く言いながらも送るつもりでその誘いを受けようか。)おい、まっすぐ歩けるなら離れろよ。(なんて、腕の重みに嫌な素振りは見せずに彼女の家までの道のりを共に歩いていくのだけれど、家の近くまで来たならいい加減離れろと声を掛けるのか。ふと聞こえた小さな言葉には、気付かれないように口元を緩め微笑んだ。――知ってるよ。なんて。)