第一章(4/11)


パーティのメインであるこのバトルトーナメントは、パーティの開演後、すぐに開始された。
今では多くのトレーナー達が各々の会場を訪れ、バトルを楽しんでいる。

ポケモンバトルトーナメントの会場は二か所。屋内のホール会場と、屋外のデッキ会場に分かれて行われていた。
この会場には三つずつ、計六つのバトルフィールドが用意されており、各ブロックごとにバトルを行い、勝敗を決めていく。
対戦ルールは、三対三のシングルバトル。時間の都合上、制限時間は十五分間と定められていた。

「いやぁ、三連勝とは恐れ入るね。お嬢ちゃん」

「何を言ってるんですか、兵太(へいた)さんのお陰ですよ」

ミツキのことを、お嬢ちゃん、と呼ぶ老齢の大男。
彼の名は兵太といい、種族はウォーグル。今はミツキの手持ちポケモンとして付き添っているが、彼の本当の主人はイッシュの西端に位置する、フキヨセシティのジムリーダー、フウロである。

「さぁて、次の対戦相手は……と」

兵太は客席から、眼下に広がるデッキ会場を見下ろした。
ミツキ達のバトルブロックは、屋外のデッキ会場だった。
海を見渡せるロケーションは抜群だが、強い海風の影響を受け易いことが難点である。

「驚いたな。あんな小さいお嬢さんが、次の相手か」

感嘆する兵太の視線を追い、ミツキもデッキを見下ろす。
そこには今し方バトルを勝利で終えた、次のミツキ等の対戦相手であるトレーナーが、フィールドを後にしていた。

「……本当ですね。私より、小さいかも……」

「まぁ、ここまで勝ち上がってきた相手だ。油断は禁物だな」

「……兵太さん、やる気満々ですね」

「そりゃあな。何であろうと勝負事には勝ちたいもんさ。お嬢ちゃんだって、そうだろう?」

「ふふ、そうですね」

「まだやれるかい?」

「智秋(ちあき)くんも陽も、頑張ってくれてますからね……。やります」

「よし、その意気だ」

ぽん、と肩を叩かれ、背筋がすっと伸びる。
思わず上がった口角。
ミツキが思わず兵太を見上げると、兵太もまた、にやりと不敵な笑みを浮かべていた。
勝負の世界で生きてきた彼の、とても楽しそうな笑顔だった。


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