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47.愛に愛持つ(東いづ)
食べるときの顔があんまりにも可愛らしいなんて、ありきたりな感情だろうか。
胸にある特別な感情を自覚しながら、自分の感想がチープな気がして、それをどう処理していいかわからない東はひとまず目の前の料理に箸をつけた。
「あ! それもすっごく美味しかったですよ!」
「そうなんだ。それは楽しみだな」
一口食べてはその美味しさに心が弾んで、そんな自分以上に美味しいものを満喫している彼女の笑顔にまた心が弾む。こんな時間がずっと続けばいいと思いが、さすがに腹が満たされればこの楽しい時間もお開きとなる。それがわかっているからいつも以上にゆっくり料理を味わうよう心掛けた。
「それにしても、東さんは本当にいろんなお店を知っていますね」
「お客さんから色々教えて貰ってたからね」
「最近よく連れて行ってくれるのは食欲の秋だからですか?」
あんまりイメージないですけど、と首を傾げながらメインディッシュを口に運ぶいづみ。膨らむ頬がやはり可愛らしくて、どんなにチープな感想だとしてもこの感情は特別で本物だと思ったから、からかうわけではなく本心を告げた。
「美味しそうに食べる顔が可愛いから、つい」
口に物が詰まって反論できない彼女が顔を真っ赤にして動きを止める。それがまたあんまりにも可愛らしく、食べてしまいたいと思った気持ちは酒とともに腹に戻した。