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52.一目見て(幸いづ)

「うっわ……サイアク」

 休日の楽しみ、適当に荷物持ちや運転手を捕まえての買い出し。劇団の衣装係としての買い物のついでに、自分の趣味用の裁縫に使える布を物色するのも楽しくて心が躍る。
 そのはずなのに、うっかり見つけてしまった変な柄の布に気分は急降下。目を背けたくなるほどダサいはずのそれから目が逸らせなくて、売り場から離れてもその柄が網膜に焼き付いて離れない。

「〜〜っ! あー、もう! 今月無駄遣いできないのに……カレー星人め」

 文句を言う口は止まらない。
 それなのにカレー柄の布なんかを手に取って弾む心臓なんか、まち針で仮留して動かせなくなってしまえばいいのに。







花の壁