失敗作は御伽の世界へ 1
二人と一匹が住処として与えられたボロ屋で、眠りについた後になって、玄関を叩く音がした。
アリルは勿論、ユウもグリムも目を覚まして皆の簡単な話し合いの後、アリルが玄関を開けると、そこに居たのはエース・トラッポラだった。
何でも、寮の冷蔵庫にあったホールケーキを一切れ盗み食いして、罰としてつけられたのが、このゴツい首輪なのだと言う。しかも魔法封じの効果もあるとか。
自分の物では無い菓子を勝手に食べるのは、咎められる行為だ。問答無用に魔法で魔法を封じると言うのは確かに横暴だろう。いざと言う時に魔法が使えないのでは困るだろうし、この大きな金属製の首輪では寝る時に首を傷め、ムチウチ状態にもなりかね無い。
そも、校内での魔法を使用した乱闘騒ぎは禁止の筈だ。それにハートの女王の法律……其れに重きを置いているのだろうが、入学直後にそう言う勉強会はしているのだろうか?とエースの態度から疑問に感じた。全員が何となくでも決まり事だと内容を認識出来ていない法律は、誰も守れない。
とは言え、良くも自分が馬鹿にした面子の住まう場所に顔を出せたものだとアリルは呆れた。しかも年頃の女が2人って場所だと失念しているのか、どっちかと一晩を望んだのか。ゴーストや魔獣が居るとは言え、人間は女2人だけだ。アリルはエースを再起不能にさせることも念頭においていた。
「掃除も修繕も間に合わなくてね、同じボロベッドに女2人と魔獣1匹でくっついて寝ているわ。そこに男であるキミが入り込もうだなんて…不埒ね?」
とアリルに。
「非常識にも程があるよ。それとも、どっちかと寝たかったの?女2人くらい男だし押さえ込めるって思った?こっちはソレも想定して警戒してるけど?」
とユウに言われ、大人しく談話室に残った。
我儘で人をなめた態度のエースも、そこまで言われると、ちょっと悪いなと思ったのだ。ほんのちょっとだけだが。本当に悪いと思えば、寮に帰っている。
そして謝る事になって、お詫びのタルト作りをエースに巻き込まれる形でオンボロ寮組はしたのに、タルトは破棄された。
アリルだけは人数の関係で1-Aでは無く、
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