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昨日はとてもいい思いをした。推しているアイドルのお渡し会に行き、写真撮影にまで成功したのだ。その写真を眺めるだけでは足らず、私はホーム画面に設定した。推しが映るよう、画面サイズを調整する。
「何で自分トリミングするん? 好きなアイドルとツーショやん」
肩から聞こえた声を聞いて、宮侑という人に人のスマホを覗き込まない礼儀作法はないのだろうなと思った。そこ
を注意するのは諦め、画面から外れた私の顔を見る。
「私が映ってるの見たくないから……」
私は自分が好きではない。スマホを開くたびに自分を見ていたら、いくら推しとのツーショットでも気が滅入ってしまうだろう。
侑が自席に引っ込み、頭の裏で腕を組んだ。
「俺ここしばらくの目標決めた」
自信があって、バレーもできて、モテる侑。そんな侑が何を目標にしようが、私と関わることはないと思っていた。でも、侑の口から私の名前が飛び出した。
「お前にお前を好きにならせることや。俺を好きにならせるのはその後」
侑が私を気にかけていることに驚いたのではない。俺を好きにならせる、ではまるで私に気があるみたいだ。侑み
たいに恋愛に慣れている人は自分の気持ちが知られることを恥ずかしく感じないのかな、と思う。自信があるからか。
「今のまま付き合ってもお前釣り合わないとかなんとか考えるやろ」
いつの間にか、侑の中で私と付き合うことは確定しているようだった。確かに私は侑に告白されたら断らない。そして、釣り合わないとも思うだろう。この無神経でいるようで鋭い男の嗅覚に痺れた。付き合えたら何でもいい、と思うようなタイプではないことが、少し意外だった。
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