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「昨日の大会勝ってたよな。おめでとう」
月曜日、教室に入るなりそう言われて私はどきりとした。
昨日、校内で部活の大会があったのだ。大会といえどそれは小さな規模で、地区大会の第一回戦を勝ち上がったにすぎない。とてもではないが、全国優勝チームのエースに祝われることではないのだ。
それが表情から伝わってしまったのだろう。佐久早は眉を下げた。
「お前だけは俺を偏見なしに一人の男として見てくれると思ってたのに」
佐久早は、普通の男の子なのに肩書だけで遠巻きにされがちだ。
「見てる! 見てるから!」
慌てて私が言うと、佐久早はにやりと笑った。
「言ったな」
私は、佐久早の言葉を思い出す。男として。知らない間にそんな単語が紛れていたのだ。私は少し前に佐久早から告白された。返事は、待ってほしいと告げた。そのまま友達のような日々が続いていたけれど、佐久早はこうして時折攻める姿勢を見せる。
「頑張ります……」
そう言っている時点で私に佐久早をフる気はなく、着地点は明らかなのだが、もう少しだけ気持ちの準備をさせてほしい。佐久早はご機嫌そうに目元を緩めて、自席へ戻って行った。
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