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※カイザーの過去微ネタバレ
失恋をした。別れ際に最低なことを言われた。それでもまだ相手のことを好きだと思ってしまうのだから救いようがない。私は忘れたい、と呟いた。
「ならいい方法を教えてやる」
偶然同じ部屋にいたカイザーが近寄った。偶然ではなかったのかもしれない。カイザーはこの瞬間を待ちわびていたような表情をしていた。どうして私とカイザーは同じ部屋にいたのだろう。気付けばそれが当たり前のようになっていて、二人きりになることに何の躊躇いもなかった。
「俺はお前が好きだ」
カイザーは普段の得意げな顔のまま、私に告白をした。普段のカイザーならばどうだ、嬉しいだろうとでも言いそうなのに、そんな雰囲気ではなかった。何かを諦めているかのような。
「悩みを吹き飛ばすには別のことで悩むのが一番だ」
カイザーは自分に好かれることで私が悩むと思っているのだ。それくらい、自分の好意を悪いように思っている。カイザーはどんな気持ちで私のことを好きだと言ったのだろう。
「どうだ? 最悪な気分だろう」
そう自嘲するような笑みを浮かべるカイザーを見て、私は確かに悩みが消えた。目の前のカイザーを、どう救えばいいのだろうと思った。私に救えるのだろうか。カイザーが好きだという私でさえ、カイザーの自分に対する根本的意識を変えることは不可能である気がした。私が悩むずっと前から、カイザーは腹に一物を抱えていたのだ。
カイザーは私の返事を聞くことなく、部屋を出て行った。私達はお互いにフラれたような気分のまま、沈黙を横たえていた。
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