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※微本誌ネタ

「結婚しようよ」

 そう南雲が笑顔で言ってきた時、私は真っ先に事件の匂いを感じ取った。

「何が狙い?」

 南雲のことだ。潜入捜査の夫婦役、あるいはカップルでしか入れないどこかへの調査。考えたらきりがない。そのどれもが悪い予感にまみれていることは言わずもがなだった。南雲はおおらかに笑うと、「そんな計画じみてないって」と言った。


「何でも当たるって評判の占い師がね、僕と君が将来結婚するって言うんだ。だから結婚しようよ」
「何それ」

 まだどこかへの潜入の方がよかったかもしれない。占いで結婚すると言われたからするとは何なのか。そんなの占いにかこつけて私と結婚したいだけではないのか。

「私のこと好きなわけ?」
「全然」

 南雲は頭の裏で腕を組んだ。その軽薄な様子に余計腹が立つ。

「じゃあ何で結婚するの。その占い師のこと本気で信じてるの?」
「本当に全部当たるんだって。だから僕達絶対結婚するよ」

 一番占いなど信じなさそうな南雲が、こういう時だけ利用しているように見える。というか、好きではないのに結婚するとは何なのだろう。

「せめてまずはお付き合いからでしょ」
「あ、その気になってくれた?」
「なってない!」

 奇しくも南雲と私は前より親しくなってしまった。というか、意識するようになってしまった。占い師の予想が当たるかどうか、それは私も知らない。