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「すまない」
突然謝罪した国都くんに、私は拍子抜けした。今は少ない自由時間に二人きり、つまり恋人同士の時間だ。そこで謝るということは、彼氏として何か落ち度のあることをしたということになる。
「何かあったの?」
私が尋ねると、国都くんは手のひらで顔の下半分を覆った。
「僕はスマホを持てないから、告白する時直接言うしかなかっただろう。勇気が必要だったんじゃないか」
「ああ……」
私達は、私が告白したことによって付き合い始めた。強豪の野球部に所属する国都くんはスマホを没収されており、LINEや電話による告白はできない。寮の電話を借りればできたかもしれないけど、流石にそこまでの度胸はない。
「確かにLINEでしか告白したことなかったから緊張したけど、結果オーライだからいいよ」
当時は多分私を好きではなかった国都くんも、今ではこうして私を好きでいてくれている。恥をかいたわけではないし、今更過去のことをとやかく言うつもりはない。
と思っていたのは私だけのようだ。
「過去にLINEで告白したことがあるのかい……?」
しまった、と思った時にはもう遅かった。国都君は目を光らせて私を見ている。過去の恋愛なんてもう時効だと思うけれど、国都くんは私以外付き合ったことがないから価値観が違うのだろう。私は焦るべきなのに、これほど国都くんから好きでいてもらえることを嬉しいと思ってしまう。
「何を笑っているんだ。おかしいことでもあったのかい」
国都くんの追求は終わらない。それが私を喜ばせていることに、国都くんは気付かない。
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