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「わお」
殺しをしたら、思いのほか返り血を浴びた。フローターが来る前に着替えてしまおうと思っていたら、来たのは南雲さんだった。相変わらず私の実力を認めていないのか、はたまた「守らなくてはいけないか弱い名前ちゃん」とでも思っているのか、彼の担当ではないのに現場を訪れる。私の下着姿を見て彼は、ちっとも申し訳なさそうではない声を上げた。
「ごめんね、責任とるよ」
ここで言う責任とは、結婚をするとかそういうことだろう。だが私は異性に肌を見せたことくらいあるし、今更南雲さんに見られたところでどうとも思わない。責任をとるというのもどうせ口先だけで、結婚する気もないのだろう。あの自由人の南雲さんが結婚する未来など見えるはずがない。だからこうして私で遊ぶのは勘弁してほしい。
「別にいいです」
「どうせ責任とるならもっと見ていいよね?」
先程から目を隠すも部屋を出ていくもしないくせに、南雲さんは誠実であるふりをする。どうせ結婚をするなら何をしてもいいなんてとんだジャイアニズムだ。南雲さんは椅子を用意し、私の着替えを美術館の展示品のように眺めた。そこまでされると流石に嫌だが、嫌がれば嫌がるほど責任をとられる方向になってしまう。南雲さんに目をつけられた時点で、私は既に終わりなのだ。
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