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 木兎達バレー部と夏祭りに行った。それは殆ど、私と木兎をくっつけるためのものだった。みんなの作戦は功を奏し、私達は無事に結ばれた。高揚と興奮で収まりがきかなくなった木兎は、私を林の中へ連れ込んだ。

「いい?」

 付き合ったのは今日だけれど、長い間両片思いをしていたのだ。ぎらりと光る瞳で見つめられたら、頷くほかなかった。

 浴衣を敷き布のようにして事に及ぶ。私達の行為は、誰に見られることもなく終わった。そろそろみんなの前に出て行かないと心配するだろう。協力してくれたみんなにお礼を言いたいし、何より私達はずっとこのままでいるわけにはいかない。林を出て、帰宅しなければならないのだ。

「浴衣ってむずい!」

 そう叫ぶ木兎に、私は苦笑いした。浴衣を脱がせる時の木兎は着付ける時のことなど何も考えていなかったのだ。勿論私もできない。今日は祖母の家に行ってやってもらった。まさかこの場に祖母を呼ぶわけにもいかず、かといって下着姿で出て行くわけにもいかず。

「もう諦めて赤葦呼ぼうよ。赤葦ならこういうのできそうじゃん」
「絶対に嫌! お前のハダカ見られたくねぇの!」

 先程から成功する気配はないのに、木兎はずっと帯を持って試行錯誤している。そもそも裸ではなく下着姿だが、それすら木兎は見られたくないらしい。小さな独占欲にどきりとする。でも、このままではらちがあかない。

「みんな、悪い! お待たせ!」
「……何で木兎さんが浴衣を着ているんですか?」

 私達がとった解決方法は、木兎の服を私が着、木兎が浴衣を着ることだった。男性なら多少はだけても大丈夫だし、浴衣は縦尺の都合がきく。幸い木兎はベルト付きのズボンを履いていたので、私も木兎の服を着ることができた。

「それはまあ、成り行き!」

 交際一日目にして、行為も彼シャツもしてしまった。帰宅したら親になんと言い訳をしようかと思いながらも、私は幸せなのだった。