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 日曜日の夜、突然飲食店に呼び出したと思えば牛島君はこう言った。

「宮に女遊びをしろと言われたのでお前と遊びたいと思う」

 言いたいことは沢山ある。まず、普通そういう遊びは金曜や土曜の夜にするものだとか、呼び出すならもう少し雰囲気のあるバーにするべきだとか。今いる場所は地産地消を謳った定食屋で、体にいいことはわかるがいけないことに誘うような場所ではない。

「遊びの人は普通そういうこと宣言しないで何人もとするんだよ」

 中でも最も言いたいことを私が言うと、牛島君は顔色を変えずにさらりと言った。

「したいと思うのがお前しかいなかった」

 これは遊びに誘われているのだ。そう自分に言い聞かせないと、平穏を保てなくなる。でも遊びとはいえ性的な対象になるのが一人だけなら、それはもう遊びではなくなる。

「本気の恋愛じゃん! 私が知り合いの中で一番巨乳なわけじゃないでしょ?」
「そうだな」

 本当に遊びで選ばれたならスタイル目当てなどだろう。そうでもないのに選んだのなら、牛島君は本気で私を好きだということになる。牛島君はあっさりと私が巨乳ではないことに同意した。一応本気の恋愛対象だと言われているはずなのに、何故か虚しくなる。

「それでも、お前がいいんだ」

 そう言う牛島君の目はまっすぐで、遊びをしている人間とは思えなかった。私達は本気の恋愛をしている。牛島君に余計なことを吹き込んだ宮選手は鬱陶しいけれど、今なら感謝したい気持ちだ。この先ホテルへ行くのかはわからない。とりあえず、旬の野菜の盛り合わせコースを食べてから決めよう。