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 おにぎり宮のバックヤードにて、一世一代の告白がされていた。私のそれは、告白と言うよりも脅迫だったかもしれない。

「付き合ってください! 付き合ってくれないなら店長にセクハラされたって言いふらします」

 こうでもしなければ店長は相手にしてくれない。脅された店長はと言うと、微塵も動揺することなく米を握っていた。

「どうせセクハラしたことになるんなら本当にしとこかな〜」

 それで本当に私の体に触れたり、性的なことを言うなら万々歳だ。やっていることはセクハラだが、店長は私を女として意識したことになる。けれど店長は冗談のように言うのみで、私へ何かをする気はまったくなかった。私は悔し紛れに言う。

「捕まるのはどうでもいいんですか、店持ってる身なのに」

 どうせ捕まるならと言う店長は捕まることを気にしていない様子だ。ならば未成年の私に手を出してもいいのではないかと思うけれど、そうしないのには別の理由があるらしい。

「おん、俺がナマエに手出さないんはナマエを大事にしたいからだけやで」

 一瞬息を飲む。私を大事にしたいから。それは部下としてではなく、女として見ているような気配がする。

「今のは本当!? からかってます!?」
「どっちやろな〜」

 店長は相変わらずおにぎりを握っていた。店長の本意は、私が成人した後に知ることになる。