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 昼休みは部活もなく、彼女とゆっくり会える唯一の時間だ。弁当は早めに食べてしまって、後は彼女と触れ合うことに時間を使う。彼女を膝に乗せるように抱き込んで、甘いキスをする。それだけでは足りなくなって、スカートの中に手を伸ばす。

「ん……やっ……」

 仮にも学校の中だ。最後までできるわけではないとわかっていたけれど、彼女の声に煽られた。パンツに引っかかった指先を、彼女の手がはたく。まあ、仕方ない。

 そう思っていた時、不意に聞き慣れない感覚がした。びりっと。もしかしなくても、彼女のパンツが破けたのではないだろうか。

「おい、パンツ見せてみろ」

 心配から俺は言うが、彼女はじゃれ合いの延長だと思っているのか「聖臣がっつきすぎ」と言って立ち上がってしまった。俺は下心でパンツを見たいのではなく、破けていないか確認したいのだ。

 感覚的には百パーセント破けている。これからコンビニに行って新しいパンツを買ってきてもいいが、学校近くのコンビニではすぐ噂になるだろう。かといって放置して、彼女が穴の開いたパンツを履いていると噂されたら可哀想だ。彼女はきちんとしたパンツを身に着けていて、破いたのは俺なのに。

 それから下校までの間、俺は彼女のパンツが他人に見られないことに全力を注いだ。

「おい、スカートが短いんじゃないか」

 そう言えば彼女は面倒くさそうにしたし、移動教室の際に階段を上る彼女の後ろにぴたりと立てば彼女の取り巻きから笑われた。

「佐久早嫉妬深すぎ〜」

 女子にからかわれることに頭が熱くなるが、ぐっとこらえる。今そこで嫉妬深いと笑っている、お前のためにやっているんだよと叫びたくなる。でもまあ破いたのは俺で、これは俺の償いなのだ。

「お前、パンツ替えたか?」

 数日後、穴の開いたパンツに気付いて捨てたかという意味で彼女に尋ねて張り手を貰ったのはいい思い出だ。