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※マネ主

「佐久早くん、お誕生日おめでとう」

 部活を始めようと体育館に行った時、そこには卒業したはずの先輩がいた。姿を見かけるのは数日ぶりのはずなのに、もう何年も会っていなかった気がする。俺は幻でも見ている気になりながら口を開く。

「先輩、卒業したはずじゃ……何でここに」

 先輩はふっと笑って俺の方へ歩み寄った。

「佐久早くん私の誕生日お祝いしてくれたから、祝い返しに。制服はもうコスプレだね」

 俺の誕生日が卒業式の後だから、わざわざ制服を着て春休みに来てくれたらしい。自嘲するように言って、スカートの裾をつまんでみせる。卒業式の日、俺がくださいと言えなかった第二ボタン。

「コスプレがプレゼントです」

 俺が言うと、「すけべなこと言わないの」と先輩は笑った。

「誕生日プレゼントはこれ」

 差し出されたのは光を受けて輝くアルミの物体である。形からして何かわかるけれど、確かめずにはいられない。

「……合鍵?」
「佐久早くんがなかなか告白してくれないから、もう私からしちゃおうと思って」

 先輩の春からの新居。そこに自由に出入りしていいということは、交際宣言も同じらしい。俺の気持ちは確かめないでもわかっているということだ。

「でも合鍵を渡しただけでは告白にはなりませんよね」

 やはり先輩の口から気持ちを聞きたくてがめつく言うと、「じゃあ自分で告白しろ!」と先輩に怒られた。俺の口から笑みがこぼれる。笑いながら告白したら、先輩に怒られるだろうか。