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※浮気ネタ

 侑の頬に赤い痕がついているのを見て、私は内心ほくそ笑んだ。何を隠そう、そう仕向けたのは私である。先日侑の部屋に行った時にピアスを落としておいたのだ。勿論そのピアスは女物であり、家事を疎かにする侑がすぐに気付くとは思えない。私の目論見通り、侑は浮気相手の一人を失ったようだ。侑は遊び相手を失うことを何よりも嫌う。私は侑に嫌がらせをするために付き合っている。

「それ、ええ紅葉やな」

 私が言うと、侑は事の次第を察したようだった。私にはめられた、と思ったのだろう。

「お前俺のこと嫌いなのに付き合っとんか」
「うん」

 そう言えば、侑はわざとらしくため息をついた。

「あんなぁ、俺が好きでもない奴と付き合うと思うか?」

 侑の女を口説く常套手段だろう。確かに私は他の女より特別な位置にいるかもしれないが、それでも複数の女がいることに変わりはない。

「本当に好きだったら浮気せえへんよな」
「それはそうやけど……」

 だけど、何なのか。結局侑は浮気人なのだ。侑が何を言おうがそれは変わらない。侑が何故私を正妻のような位置におくかはわからないけれど、これからも嫌がらせをさせてもらう。そう思っていた私は、後日侑に「全部の女切ったから」と頭を下げられ面食らった。浮気相手がいる前提で嫌がらせをしていたはずなのに、それがいなくなっては付き合う意味がなくなってしまう。

「つまり私が本当に好きってこと?」

 私が尋ねると、侑は懇願する立場でありながら馬鹿にするような表情を浮かべた。

「前からそう言っとるやろ」

 浮気人と甘く見ていた私に天誅が下ったのかもしれない。