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「コスプレしてみました」

 安室透としての彼女が、セーフハウスで待っていた。今日は僕が帰宅したらそのままおうちデートをする予定だったので、彼女なりに気合を入れていたのだろう。その気持ちはすごく嬉しい。しかし僕は、玄関に立ったままろくに誉め言葉の一つも言えないでいた。

「いや……よく似合っていますが……ポリスは……」

 僕にとって、警察官の制服はコスプレではなく日常である。コスプレ用に改造されてはいるものの、ポリスのコスチュームを見て思い出すのは同僚や部下、警察学校での同級生なのだった。彼女は僕が警察官だと知らないため、僕が内心複雑になっているとは予想だにしていないだろう。わかってやっているのなら大したものだ。

「コスプレ嫌いですか?」

 彼女は不安そうに言う。

「コスプレは好きです。ただ警察の制服をあまりよく思っていないもので」

 って、何を言わせるんだ。コスプレが好きだなど、言いたくはなかったのに。

「とにかく、早く脱ぎましょう」

 僕は家の中へ上がり、彼女の背を押して部屋へ連れ込んだ。ついでにカーテンを閉める。

「安室さんのえっち」

 そう言う彼女にえっちでいい、と思うのは警察官の制服を見たくないからだろうか。それとも、彼女への性欲由来だろうか。