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「シルバー先輩、何で上裸なんですか?」
オンボロ寮に泊まりに来た夜、シャワーを終えたシルバーは上裸だった。今は夏ではない。それどころか、毛布一枚では寒い季節だ。シルバーの男の色香に戸惑いつつ、監督生は尋ねる。
「その方がいいと言われてな」
シルバーはまったく動揺しない。これは誘われているのか、と思う監督生だったが、その実シルバーが上のパジャマを着ていない理由は簡単なものだった。シルバーのパジャマの上は平たく言えば「ダサい」ものであり、監督生に見せて興ざめされないようにとリリアが着ないように言ったのだ。リリアとしては、別のパジャマを持っていかせるか上だけ別のTシャツなどに変えさせるつもりだった。しかし言葉通りに受け取ったシルバーは、パジャマの上を着ないことを選んだのだ。
「あの、何か着てもらうことは……」
監督生は行為を意識せずにいられない。どうせ脱ぐから着なくていい、とでも思っているのだろうか。監督生の思惑は深まるばかりだ。
「ここに男物の服はないだろう」
まさかオンボロ寮に他の男を止めていないよなと確かめているのかもしれない。事実他の男の服などないが、監督生は縮み上がった。普段あまり欲など見せないシルバーが、独占欲や性欲を出している(ように見える)のだ。
「寒くないですか?」
「ベッドに入れば寒くない」
これは、くっついて寝るというお誘いだ。そう判断した監督生は、シルバーがベッドに入った瞬間ぴたりとシルバーに寄り添った。シルバーは不思議に思っていたが、甘えたい気分なのだろうと監督生に腕を回して寝ることにした。こうして、双方偶然にイチャつきながら寝ることができたのである。行為はしなくていいのか、と内心拍子抜けした監督生だったが、くっついているだけで幸せだった。上のパジャマを贈る気にもならず、シルバーはしばらくオンボロ寮に上裸で泊まったという。
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