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スカラマシュは人形だ。本来、食欲も性欲もない。だというのにスカラマシュは私と食事をしたし、セックスもした。
食事はまだわかる。大勢の前で食事をせずにいて、いちいち自分が人形だと言いまわるのは面倒だろう。だがセックスはどうだ。そんなのみんな隠れてやっていることだし、私は彼が人形だと知っているのだから言い訳のようにする必要はない。スカラマシュがいくら男性モデルの人形だとはいえ、普通の男性のように性欲を発散しないといけないわけではないのだ。一体、何故私とセックスをするのだろう。
尋ねてみれば、スカラマシュは嫌そうな顔をした。触れられたくないことだったのかもしれない。彼は笠をいじった後、面倒そうに言い捨てた。
「お前が嬉しそうな顔をするからだろ」
スカラマシュがする必要のないセックスをするのは、私を喜ばせるためだったのだ。性欲の絡まないセックス。それは真に愛の通った行為だと言えるだろう。スカラマシュに快感というものがあるのかはわからないが、しなくても別にいいのだから。スカラマシュは言わば私に付き合ってやっているのだ。
「私を愛してるからですか?」
スカラマシュはあからさまに嫌そうな顔をし、「そうは言っていない」と言って歩き出した。私はご機嫌でスカラマシュの後を追った。スカラマシュがファデュイにいる限り、私は彼について行く。スカラマシュが神様になった世界を、私も見てみたいのだから。
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