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私も酔っていたのだろう。酒の席で、普段なら避けて通ることを赤ら顔で聞いた。
「好きなタイプは?」
絡み酒をしているという自覚はある。だがそれを恥ずかしいと思う理性がないのだ。銀時も同じのようで、照れたり馬鹿にしたりすることなく、「んー」と上を向いた。
「年上のグラマーなお姉さん」
「私と全然違うじゃん!」
私はテーブルに湯呑みを叩きつけた。自分で聞いたくせに、何故憤慨しているのだろう。その理由は、銀時と私が何らかのきっかけさえあれば付き合えると思っているからに違いない。
「何でお前基準で考えるんだよ」
銀時の言葉に、私は失礼ともとれる言葉を返す。
「銀時がワンチャン付き合えるとしたら私以外いないじゃん!」
そう、マダオの銀時に付き合えるのは私くらいなのだ。女の知り合いが多いとはいえ、フラグはあまり立っていない。銀時だって、私とならワンチャンあるくらい思っているはずだろう。その意思が漏れてしまったのだろうか。銀時は気怠げな視線を私に寄越した。
「うるせぇな! お前俺のこと好きなの!?」
銀時とはただ付き合えるというだけで、積極的に付き合いたいと思っているわけではない。つまり、所詮は飲み友達だ。
「全然好きじゃない」
「どっちなんだよ!」
今度は銀時が湯呑みを叩きつける。そういう反応をとる銀時こそ私のことが好きなのではないだろうか。とは言ったらまた話をややこしくしそうで、私は黙り込むことにした。
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