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五条家に仕える者として、一番してはいけないことをしてしまった。当時十七歳である当主、五条悟とセックスをしてしまったのである。私は彼の数個上であり、長らくの間五条家に仕えてきた。彼は私のことを使用人としか思っていないはずだった。しかし、彼の手つきや視線は、昔から私のことを好きだったのではないかと思わせた。私は彼とのセックスに反対していたはずなのに、いつのまにか押し切られ、喜びを感じるようになっていた。元から好きであったのかはわからない。ただ、彼に求められるのが酷く心地よかった。このまま禁忌の関係を持つのだろうかと思われた時、彼は実家を空けるようになった。それまでも頻繁に帰省していたわけではないが、明らかに回数が減り、帰っても私を避けるようになったのだ。それで身に染みた。恋愛気分だったのは私だけだったのだ。彼は子供らしくいけないことに手を染めてみたくなっただけ。あるいは性欲の発散をしただけ。諦めたら冷静になり、彼の前でも以前のように接することができた。彼は安心したように、私を避けることをやめた。