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 ゾウに着いたローは、ハートの海賊団をルフィ達に紹介した。その中でもローの隣に立つ者が一人。彼女は、どう見ても特別であると感じさせる。ローはルフィへ彼女を紹介した。

「おれの妻だ」

 ルフィ以外の麦わらの一味――ナミやウソップには衝撃が走ったのだが、ルフィにはあまりピンときていないようだ。一般人の結婚ならまだしも、海賊団内で結婚するということの感覚が掴めないのだろう。船員を「仲間」と徹底してきた弊害かもしれない。

「ああ! 白ひげのおっさんの真似してんのか!」

 ルフィが思い出したのは、頂上戦争で関わった白ひげ海賊団だった。彼らは、自らを白ひげの息子だと言っていた気がする。

「ハァ? ウチはドライなんだ。クルーは家族じゃねェ」
「じゃあそいつは何なんだよ」

 ローの言っていることは矛盾している。家族ではないなら、妻ではないではないか。ルフィに矛盾を指摘されたことでかっとなったのか、ローは凄みを増して叫んだ。

「おれはこいつを愛してるんだよ!」

 ローのキャラクターを考えれば、かなりの発言である。後方で見ているウソップはもう声も出ていない。ところがルフィはまだ理解できていないようだった。

「あー、白ひげのおっさんもそんなこと言ってたなァ」

 バカな息子をそれでも愛そう、という台詞は、ルフィの胸にも残っている。ローは遂に苛立ち始めた。

「だから、おれのこいつへの愛は性愛だ!」
「性愛?」

 ルフィにあまり難しい言葉はわからない。平たく言う必要がある。ナミがまさか、と思った時、ローは叫んだ。

「性欲があるってことだよ!」

 ローの声がゾウにこだまする。死の外科医であるローが、自らの欲を叫ぶなんて。隣で一部始終を見ていたローの妻が、とうとう声をかけた。

「ロー、その辺にして……」

 ローは今更冷静になった様子だ。だが既に遅い。ローが妻を大好きだということは、ゾウ中に広まってしまったのだった。