浅葱は旅立った。

「待ってて」
「…帰って…」
「来るよ。約束する」

指切りをする。そして――
「はい」

浅葱は髪の毛を一本抜いて月詠の指にまく。

「っ!これは…!」
「月詠ちゃんも」

浅葱は小指を差し出し、月詠も髪の毛を一本抜いて浅葱の指にまきつける。

「これ、心中立てって言うんでしょ?」
「日輪の仕業か…」
「当たり。指切りだけじゃ不安かと思って」

月詠は指を見て泣きそうになるのをこらえる。すると

「月詠――」

呼び捨てにされてびっくりする。と、思えば抱きしめられて。

「前にも言ったけど、きみのいる場所が俺の帰る場所だ。だからここで待ってて。吉原で」

「あぁ、待っている。お前様の帰りを」
「ありがとう。何がなんでも生き抜くよ。……月詠、こっち見て」

おそるおそる顔を上げるとちゅっとキスをされる。

「ッ!!!」
「じゃ、続きは帰って来てからね」
「つ、続き?」
「そう、あれ?俺と床入りしてくれるんでしょ?」
「っ!浅葱!」
「あははっ、楽しみにしてるよ」

行く。すると日輪に

「悪い男だね、あんたは」
「でしょ?よくわかってますよ」
「あの子、純粋だからね。きっとずっと待ってるよ」
「…帰りますよ。いつか、必ず」
「帰ってこなかったら承知しないよ」
「約束はちゃんと守る主義なので」
「そうかい」
「月詠ちゃんのこと、お願いしますね」
「まかせな」
「……じゃ、いってきます」
「生きるんだよ」
「もちろん、月詠ちゃんの初めてもらうまで死ねませんから」で、いなくなる。

心中立て


ALICE+