見回りを終えて、夕方、お店に帰る。すると、家の中にお客がいて、

「日輪、誰か客か?」

上がると浅葱がいてびっくりして固まる。浅葱は月詠の方を見ると前と変わらずに笑って

「月詠ちゃん、久しぶりだね」

という。月詠はその場に立ち尽くしていて、何も言わない。

「晴太、そろそろお風呂入っちまいな」
「はーい」
「浅葱さん、申し訳ないけどあたしは晴太のお弁当の準備があるから。月詠、お茶出してやんなよ」

ふたりともいなくなる。

「………」
「…月詠ちゃん?ぼーっとしてないで座ったら?」
「……浅葱…」
「……ただいま」

浅葱はふっと笑う。
「……浅葱…っ」

月詠、なきそうになる。
浅葱は立ち上がって月詠を抱きしめる。

「待たせちゃったね。ごめん」
「ぬし……傷が…」

浅葱は頬に傷が増えていた。

「あぁ、これ?ちょっとしくっちゃってね。でももう大丈夫。俺は解放されたから」

安心してわんわん泣く。

「ああ〜ごめんね。ほんとごめん。大丈夫、もうどこにもいかないから」

だから泣かないで?と言って頭をなでる、月詠は顔を上げてそれを見た浅葱はそっとキスをする。そして月詠の手をすくって小指をなでながら

「約束、信じててくれたんだね」
「ありがとう……あっ、そうそう」
「なんじゃ?」
「ちゃんと言ってなかったね。俺だけの女になってください」
「……な、ななな!」
「へへへっ、どう?どきっとした?」

月詠顔真っ赤になって浅葱の胸に顔をうずめる。

「で、返事は?」
「……わっちは…」
「うん」
「……女は捨てた」
「うん」
「……傷が、ある…」
「うん。だから?」
「えっ」
「女を捨てた?傷がある?だから何?何が問題なの?」
「い、いいのか」
「いいのかって、よくなかったらはじめからこんなこと言わない」
「女を捨ててたって構わない。女を捨てても俺はきみがいい。どんなきみでも月詠ちゃんであれば俺はきみがいい。傷があっても気にしない。というか、俺たち、同じとこに傷あるじゃん。これってお揃いだよね」

月詠泣く。

「俺器でかいからね。どんな月詠ちゃんでも受け止めるよ。弱いとこ見せても嫌ったりしない。そんなんじゃ離れない。むしろ護ってあげるよ。俺じゃ、不満?」

月詠顔を上げて首を横に振る。

「うん、よしよし」

で、離れて月詠は正座して頭を下げる。そして

「……月詠でありんす。…どうぞ、よしなに」

頭を上げる。浅葱は正座して頭を下げて「こちらこそ」で、おしまい。


影から見ていた日輪と晴太。
「月詠姐が泣いてるの、はじめて見た」
「よかったじゃないか、月詠」

で、なんでか後ろに万事屋のみんな。

「なんだよ、あんなイチャイチャしやがって。ってか、何がどうぞよしなにだよ、お前そんなキャラじゃねぇだろ」
「まぁまぁ、いいじゃないですか。幸せになってよかったです」
「ここは"愛してるよ月詠"、"わっちも、もう一生離さないでね"って展開になるアルネ」

クナイが飛んでくる

「ぬしら……」
「げっ、やべぇ…」
「何を盗み見しとるんじゃァァ!!」

クナイの嵐。その後ろで浅葱。

「相変わらずだなぁ。あははっ」

と笑う。でおわり。

今宵の月は沈まない


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