魔女の気まぐれ

掬った時を空に並べてみる
嘯く赤い月を沈めた水槽
時を置き去りにする呪文を棄てた
荼毘に付す明日に鏡を突き刺した
世迷い言ばかり並べる烏の報せ
夜空を映した外套を翻す
仄かな赤い糸を見つける旅





未完成な僕の居場所

色づく青空に溺れる
牡丹雪が舞う春のこと
咲き匂う秋の靴音
月影に魅入られた桜の物語
魅惑的な夏のオルゴール
冬に閉じ込めた向日葵の忘れ物
明日に続く秘密基地の扉
四季の足跡を辿る





夢境

月影に照らされた桜が散る幻
肩越しのかざくるまは狐火に消えた
上弦へ旅立つ孤独な鴇
宵に花を手折るは一羽の烏
紅を引いた唇は朧月を謳う
泣き声が聞こえた鳥居の向こう
夕闇を追いかけたキミの影
炎を撫でる白い花びら

*補足
夢境(むきょう)…夢の中の世界





しの手

歪に笑う真中の月影
死をらう眼差し
けていく過去
空っぽな
季節れの旋律
繰り返す春を待つ
破り捨てたはずの最のページ





モノクロ世界の最果て

色彩を知らない花園
彗星が連れ去った大空
色づかない夕景の影
嘘吐きの小鳥だけが知っている季節
冷たい炎の愛撫
三日月が笑う七番目の朝
嘘つきを愛した花が散る


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