夢境

月影に照らされた桜が散る幻
肩越しのかざくるまは狐火に消えた
上弦へ旅立つ孤独な鴇
宵に花を手折るは一羽の烏
紅を引いた唇は朧月を謳う
泣き声が聞こえた鳥居の向こう
夕闇を追いかけたキミの影
炎を撫でる白い花びら


*補足
夢境(むきょう)…夢の中の世界


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