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2017/07/03 17:02

ATTENTION


・流血描写
・暴力表現
・三日月宗近
・長文(字数1700程)

(夜空に浮かぶ月の光により照らされる廊下を歩み進め、厨に立ち湯を沸かすと適温まで冷ました緑茶を注いだ湯呑みを二つ用意して盆に乗せれば早速と一振の部屋へ脚を向け、歩きながらも夜空の明るい月を見上げて向かう部屋主の顔を思い浮かべると想いを膨らませ無意識の内に口許を緩め、歩を進めていき一部屋の前で立ち止まると室内に居るであろう一人へ軽く声をかけ)三日月、茶を持ってきたんだが一緒に飲まないか?……おーい、居るのか?…開けるぞ(普段であれば室内から直ぐに返ってくる穏やかな声が一向に聞こえずその場で首を傾げていたものの再度短く声をかけて障子戸に指を掛けると静かに横へ開き、その中に居る一人の視線が漸く此方へ向けられると共に普段からは想像も出来ぬ程冷たい光を持った瞳に気付き不思議そうに目を丸めるも障子戸の方へ振り返り開けていた戸を閉め、室内に向き直ればいつの間にやら目の前に立つ相手を見上げ普段通りの楽しげな笑みを浮かべつつ湯呑みを乗せた盆を差し出した直後持っていたそれが片手により弾かれ、畳へ落ちると割れてそこに染みを作る二つの湯呑みを見下ろしながら拾い上げる事も出来ずに驚いて瞬きを繰り返し)三日月…?どうしたんだ、いきなりこんな…っぐ、(隠し切れぬ困惑を表情に滲ませながらも立ったままの相手へ視線戻すと突如頬へ走る痛みによろめいて顔を伏せ、その痛みが彼に殴られたものと気付きつつそこを片手で押さえて顔を上げ、再度見た表情に確かな怒りと冷たさを感じ取れば慌てて部屋を出て行こうと相手へ背を向けて閉めたばかりの戸に触れた途端羽織のフードを引っ張る力のままに数歩後退し、障子戸から強引に引き剥がされた手が背後の彼によって強く握られたかと思えば袖から覗く手首へ歯が立てられ、遠慮の無い力強さに表情歪め振り解こうと身動ぐ程に手首へかかる力が増していくと抵抗する力は弱くなっていき、豹変した言動の訳も分からず漸く腕が解放されれば再度相手と視線を合わせ、その表情に未だ怒りが収まっていないと知れば何とか落ち着かせようと相手の腕を優しく掴み)み、かづき…止してくれ、俺が何かしたなら謝るから…やめ、てくれ(言葉を途切れさせ話しながらも月が色濃く浮かぶ相手の瞳をじっと見つめると心中を見透かすような鋭さに恐怖心を煽られ、不意に胸倉を掴まれ軽々と身が持ち上げられると腕に抵抗する間も無く勢いのまま身体と後頭部を壁に打ち付けられ、焼かれるような痛みに意識が遠退きかけるも何とか堪えれば力を無くしてぐったりと項垂れ、胸倉を掴んでいた手が離されると重力に従い畳へ倒れ込み起き上がる事も出来ずその場で悶えていた最中、容赦無く腹部を蹴られては身体を強張らせて幾度か咳き込み、息苦しさを伴う痛みや相手の豹変に堪らず瞳から涙を溢れさせては頭を踏み付けられ締め付けられるような鈍痛の中何度も彼の名を呼び)っあ、ぐ…み、みか、づき……っ痛い、みかづき…!(痛みと悲しさから表情歪め固く目を瞑っていたものの頭を踏み付けていた片足が退けられると目を開け、手を伸ばして力無く相手の足元へ触れたかと思えば鋭い痛みに思わずくぐもった声を洩らし、腕へ視線を向ければ肌に深々と突き刺さった彼の刀を見ると最早抵抗しようとする意思も無く引き抜かれ銀色に鈍く光る刀身へ付着した血液を見て幾度か瞬いき、次いで肩口から胸元へかけて大きく切り裂かれては傷口から溢れる血液が着物や畳に染み込んでいく不快感も気にせず相手の姿をぼんやりと見上げ、いつしか苛立ちだけでなく動揺が滲む表情を見ると苦笑し、遠退きそうになる意識に抗って目を細めながらも腕から徐々に溢れる血液が相手の方まで流れていく事に気付くと薄く唇を開き幾分弱弱しくなった声で少しでも離れるように促し)…君が、汚れてしまうぜ。もう良い、放っておけばいいから……み、かづき…(握っていた手の力が抜けると共に畳へ刀が落ち、その場から離れるどころか血溜まりに膝を付き近寄った相手の両腕により上体を抱き寄せられると思わず表情緩めつつ奪われていく自らの体温に反し相手の暖かさを感じて次第に目を伏せ)
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