今日は俺の誕生日だ。一年に一度の聖誕祭。そんな日に俺はソワソワしていた、いや、そんな日だからこそ、だ。何故ならアタックし続けてようやく落とした先輩と最近晴れて恋人同士になったからだ。付き合うようになって初めてのイベント、きっと先輩もお祝いを考えてくれているはず。
「リエーフ、おはよ」
「あ、お、おはよう。吽さん」
「ねぇリエーフ今日何の日か知ってる?」
「(来た!)な、んの日ですかね」
「卵かけご飯の日だって!私朝食べれなかったら晩御飯に食べようかな〜」
「えっ」
いや待て、びっくりした。どうした突然卵かけ御飯。
これはあれかサプライズというやつか。みんな俺の誕生日ということを忘れたふりして、実はおめでとう!ええ、みんな忘れてるかと思いました!みたいな感じか。まぁしょうがない乗ってやるか。
「リエーフ?朝練遅れるよ?」
「あ、行きます」
気づけば放課後だった。アレ、サプライズは?
朝練後も昼休みも待っていたのにそんなことはまるで無かった。なるほど。部活練習おわりか、なるほどなるほど。通常練習が終わって、自主練行くと思いきやハッピバースデーになるに違いない。
「おい、リエーフ!!今日もレシーブ練習だからな!!」
「あ、ハイ」
あれ。普通に自主練が始まってしまった。黒尾さんはいつものように厳しくて、夜久さんもいつもように厳しかった。あ、部活終わりに来るのか。
「お疲れー気ぃつけて帰れよー」
「うぃーっす」
「アレ」
「リエーフ?帰ろう?」
気がつけば周りの部員はほとんど帰っていた。これはみんなマジで知らないやつ?そういえば音駒に入って自分の誕生日を言った記憶がない。いや、自分誕生日を言いふらすやつはいないけど、さ。じゃあ今日1日俺はソワソワし損だったのか・・・
「吽さん吽さん」
「ん?」
「・・・イエ、何でもないデス」
「今日リエーフどうしたの?家帰ったら卵かけ御飯食べなよ?」
「そうします・・・」
もう高校生だから誕生日一つにワイワイするなということか・・・誕生日にかわいい彼女が、プレゼントは私。なんて言うのもやっぱり幻想だったのか・・・隣で歩くかわいい彼女を見ると「寒くなったねぇ」なんて暢気なこと言っている。くそっ、かわいい。
「あ、もうリエーフの家ついちゃった。じゃあまた明日」
「えっ、吽さんの家まで送りますよ!」
「ううん、家近いし、リエーフ疲れてるみたいだから今日は大丈夫!ゆっくり休んでね。あ、そうだ、リエーフ」
「はい?」
「卵かけ御飯に乗せる卵って常温が良いんだって、おうち帰ったら真っ先に冷蔵庫から出してね!」
「あー・・・ハイ」
かわいい彼女は今日頭の中卵かけ御飯のことでいっぱいなのだろうか、バイバイ!と手を振って駆け足でその場から去る彼女の背中を見送って家の中に入る。あー、結局普通の日だった。吽さんに言われた通りに家に入って荷物も置かずにとりあえずリビングに向か・・・・・・うと、何故か解散したはずのバレー部員がいた
「誕生日おめでとー」
黒尾さんが持ってきたのはホールのケーキ、真ん中のプレートにはお誕生日おめでとうの文字。ちょっと待って、ビックリしすぎて頭ついてこない。これはサプライズだ・・・
「そのケーキは私の手作りだから味わって食べてね?」
「吽さん!?」
「ごめんね、勝手に上がっちゃった」
後ろを振り向くと数十秒前に別れた彼女が居て、はい、フーしてフーと言われロウソクの火を消すと騒ぎ出す部員たち。そしてケーキを食べ始めた、それ俺のケーキ。
「リエーフったら朝からソワソワしすぎなんだもん!面白かった」
「みんな忘れてるかと思いました・・・」
「私がみんなに頼んだの、早く帰って私の家でケーキ預かって、先回りしてリエーフの家に来てもらったの」
「吽の頼みじゃないとこんな面倒くさいことしないよ」
「研磨、しーっ」
「俺の誕生日知ってたんですか?」
「もちろん!私はリエーフの彼女だもん」
「吽・・・!!」
「おーおー熱い熱い。おいリエーフ早く食わねーと全部食われるぞ、ケーキ」
「えっ、ちょ、俺のケーキ!」
151030
リエーフ happy birthday
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