I don't like BLACK dog




吽は人を探していた。3人組で1人が女の子で2人が男の子という異色の組み合わせだ。談話室を覗いてみたがその姿は無く、そろそろ消灯の時間だから早めに見つけないと、と歩くスピードを上げた時であった。


「見つけた。ハーマイオニー!」
「あ!吽先生!」
「はー見つけてよかった。早くこれ渡したくてね」
「これって・・・」
「そ、アメリカのお土産!」
「本?君、お土産に本をお願いしたのか?」
「悪い?これ、アメリカの魔法学校で使われてる教科書よ?なかなか手に入らないんだから」
「呪文学と薬学しかなかったからごめんね、それだけで」
「ううん!すっごい嬉しい!ありがとう、吽先生!」


アメリカに行くという話をした時に、教科書のお土産なんて初めて聞いて吽は一瞬耳を疑ったが相手はハーマイオニー、有り得ない話ではないと2つ返事で返したのは数週間前。


「吽先生、僕たちにはお土産無いの?」
「言うと思ったよ、ロニィ坊や。はい、ハリーも。向こうのお菓子セット買ってきたよ、なかなか面白いみたいだから楽しみながら食べてね」
「うわ、やったー!後で食べようぜ、ハリー!」
「うん、ありがとう吽先生」
「いーえ、でもお土産3人にしか買ってないから内緒にしててね?」
「もちろんさ!」


無邪気に笑う生徒達に吽も笑みが溢れた。教鞭を持たない吽にも先生、と呼んで慕ってくれる3人であった。しかも1人は親友の子ども、そんな子たちを可愛がらないわけがなかった。


「そうだ、ハリー。今度の休暇ちょっとお家にお邪魔するからね」
「え、どうして?」
「リリーが久しぶりにおいでってこの前連絡来てね、ハリーが帰る時に一緒に行こうかなって。いいかな?」
「もちろん。母さんも父さんも喜ぶよ」
「ジェームズはどうだろう・・・」
「あ、シリウスも来るって言ってたよ」
「シリウス!?うわーやっぱり行くのやめようかな・・・」
「どうして?仲悪かったっけ?」
「すっごくね!ハリーの前じゃ見せたことなかったけどあいつは学生の頃から私を目の敵にして・・・!」
「で、でも僕は吽先生にも来て欲しいな」
「う、ハリーがそういうなら・・・あのワンコロがいない時を狙って行くね」


待ってる、と言うハリーの頭を撫でてその場を立ち去った。シリウスという単語を聞くだけで吽は胸の奥でイラッとする感情が生まれるのがわかった。
犬猿の仲、吽とシリウスはその表現がぴったりの関係であった。


「頭良くて顔も良いのに何でまぁあんなに性格が悪いかな、シリウスは」


思い出したくも無い昔の思い出をブンブンと頭を振って消し去り。ハーブティーでも飲んで落ち着こうと、吽は自室までの道を急ぐのであった。



160807

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