second form student





「やぁ、スニベルス。今日はなんの勉強かい?」
「・・・・・・邪魔をするな」
「邪魔?俺からしたらお前の存在が邪魔だな!」
「勉強なら僕たちが教えてやるよ」


湖近くの森の中。生徒はほとんど近寄らない薄暗い場所で本を片手に立ち上がる少年と、ニヤニヤと笑う少年2人はあまりに不釣り合いであった。


「今日はどの呪文にしようか」
「スキップが止まらなくなる呪文はどう?」
「阿!」
「また君かい?ほんとどこにいても現れるよね、そんなに僕たちのこと好きなの?」
「ええ、視界に入ったら吐きたくなるくらいにね!えい!」
「うわ!おいジェームズ!スキップが止まらねぇ!」
「わ!僕も!なんだこの魔法!また阿変な魔法かけたな!」
「あははそっちの方がかわいげあっていいと思うよ」
「くそ、おいジェームズ一回戻るぞ!」


おととい来やがれ〜と明るい声を出す少女、吽はゆっくりスネイプに近寄った。


「・・・別に助けは必要なかった」
「私が見てて嫌なんだよ」
「迷惑だ」
「むかつかない?あいつら」
「・・・むかつく、けど」
「でしょ?ほんとなに考えてるんだろ」
「・・・おい」
「あ、そうそう。さっきチョコレートもらったんだ、どうぞ。勉強の時は甘いものが一番だよ」
「はぁ・・・」


話が噛み合わないこの少女にスネイプはため息をつき、目の前に出されたチョコレートを受け取った。例のグリフィンドール生と同じ寮の少女は何故か仲の悪いスリザリン生の横に座った。あまりに不釣り合いな姿である。


「セブルスはやり返さないの?」
「・・・いい、黙ってればいつか気が済んでどこかに行く」
「なにもしないの・・・?」
「やり返したことくらいあるさ」
「何したの?」
「・・・」
「まさか闇の魔術使ったわけじゃないよね・・・?」
「・・・」
「馬鹿!セブルスの馬鹿!傷つけるのはあいつらと一緒。いい、ああいうプライドが高そうなタイプには恥をかかせることが一番なんだよ?」


入学当時から何故か一緒にいるこの少女のことをスネイプはいまいち理解できていなかった。何を言っても次の日には忘れたようにいつもと同じように隣にいる、誰かと一緒に居るということを経験したことのないスネイプにとってこの少女は不思議な存在であった。


「どうしていつも僕を助ける」
「だから見てて嫌なんだって」
「だったら見なければいい話だ」
「それは無理な話だね」
「何でだ」
「だってセブルス友達じゃん」
「友達・・・?」
「え、ちょっと待って、友達って思ってたの私だけ?嘘、すっごい恥ずかしいんだけど!」


あぁー、と膝に顔を埋める吽に対し、スネイプは友達、と一言呟いてみた。
今まで彼女を意識したことなんかなかった、ただ少し頭のおかしい付きまとってくるグリフィンドール生、くらいの認識であったはずだ。言霊とは言ったものだ、たった一言で彼女との距離がグッと縮まった気がした。正直友なんか必要ないとスネイプは思っていた。だがいざ目の前に友達といってくれる人間がいることに酷く安心感を覚えていた。


「・・・スネイプくん」
「・・・・・・なんだ」
「友達になってください」
「・・・・・・・・・あぁ」



木漏れ日の下で真っ赤な顔で手を差し出す吽に、その手を小さく握るスネイプがいた。


160808

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