first form student I





スネイプが少しおかしな東洋人と出会ったのは入学して半月程経った時であった。スネイプがいつものように池のほとりにある木を背もたれに、本を開いていた。そんな時。


「・・・あなた、いつもここで何の本読んでるの?」
「・・・・・・誰だお前」
「あ、ごめんなさい。私吽阿って言います。最近ずっとここであなたが本を読んでるの見かけて気になって」
「グリフィンドールか・・・僕に近寄るな」
「それは何の本?」
「僕の話が聞こえないのか」


獅子のエンブレムをつけたこの少女をスネイプは一瞥して、すぐに手元の本に目線を戻した。彼はスリザリン。グリフィンドール生が好き好んでスリザリン生に話しかけるなんてそんなこと聞いたことがない。彼はきっとその場からすぐに離れていくだろうと思い、字を追っていたが、横から気配が消えることはなかった。


「・・・・・・何の用だ」
「その本、いつも一生懸命読んでるから気になっちゃって」
「・・・闇の魔術の本だ、お前には関係ない」
「ヤミノマジュツ?」
「・・・・・・」
「それって難しいの?」
「・・・当たり前だ」
「うーん・・・呪術みたいなの、かな?」


ジュジュツ、スネイプはその言葉がわからなかった。聞いたことのない単語だからこの女の国の言葉だろう。正直どうでもいいという気持ちが強かった彼は、彼女の話なんて聞き流し、「そうじゃないのか」なんて適当な相槌を打っていた。



「へぇすごい!呪術って難しいんだよ!スネイプくんはまだ若いのに呪術使えるの?」
「まぁ・・・」
「すごいすごい!呪術って日本じゃ昔からすっごい人の役に立ってきたんだよ!スネイプくんも誰かの役に立ちたいの?」
「違う、僕はそんなんじゃ、」
「違うの・・・?」
「・・・・・・僕は僕の能力を高めたいだけだ」
「へぇ・・・?」
「まぁお前にはわからないだろうけど」
「うん、わからない!」
「はぁ」


まさかこの少女が自分の人生を変えるような存在なるとは知らず、スネイプは本を閉じ、足早にその場を離れた。



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