「え、ど、ういうこと?」
吽は大きく目を見張った。
「そのまんまの意味やけど」
「だって、私と財前くんはまだ出会ったばかり、で」
「そんなん関係あらへん」
一度静かになった吽の携帯が再びけたたましく鳴り始める。そこには先ほどと同じ名前。
財前は眉間に皺を寄せ、彼女の携帯を手に取り、差し出した。
「・・・やかましいねん。吽さんちょっとこいつ呼び出してくれへん?」
「な、んで?」
「そんなん別れさせるためや」
「わ、別れ!?」
「こいつのこと好きなん?」
「好き・・・じゃ、ないけど」
「やったらええやん。別れて俺と付き合って」
「ちょ、ちょっと、急すぎて頭が追いつかない・・・何で、私と、だって、まだ出会ったばかりで、好きなんて・・・」
戸惑いを隠しきれず、目を泳がせる吽に反して財前は、眉間の皺を取り、「なんでやろ、」と小さく呟いた。
「最初は歌声に一目惚れしたんやけど、それでもあかんくて吽さんの全部が欲しくなったんすわ。今は俺のこと恋愛対象に見てなくてもええわ。せやけど・・・絶対惚れさせるからな」
覚悟しといてや?と財前はニヤリと笑った。
170703
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