ミスタの腹筋を触ってみたい。
そう思うのはわたしだけじゃあ無いはずだ。締まったウエストにバランスの良い筋肉、綺麗なおへそ。あれを毎日毎日間近で見せつけられて、わたしは我慢の限界だった。
ソファに並んで座ること十数分。ミスタはペラペラと音を立てながら雑誌を読んでいる。今なら機嫌も良さそうだし、触っても怒られないのではないだろうか。

「かたい」
「おわ!急に何してんだ!」

かたい。これが同じ人間のお腹なのか。わたしのお腹とは何もかもがまるで違う。
ミスタがわたしに何か言っているが、初めて触る感触にお腹を触る手が止まらない。
わたしは夢中になってぽこぽことした腹筋の溝を指でなぞって、すべすべとしたお腹を撫でる。くすぐったいのか、時折ぴくぴくと震えている。まるで生き物みたいで少しかわいい。永遠に触っていたい。
少しだけ力を込めてぐっと押してみても硬い腹筋はびくともしない。わたしのふにゃふにゃのお腹とは大違いだ。
おへその周りをくるりとなぞったところで、わたしの手がミスタの大きな手に鷲掴みにされてしまった。

「誘ってんのかって聞いてんだろォ」
「えっ、な、なんで」
「そーかそーか。悪い仔猫ちゃんだな?」

どうやら夢中になっている間に何か色々と言われていたらしい。これは、まずいかもしれない。
少し怒ったような顔をしたミスタが、わたしの上に覆いかぶさってくる。

「あの、ミスタのお腹、触ってみたくて……」
「セックスしたいならちゃあんとその可愛い口で言わなきゃあダメだろ?」
「ちが……ぅあっ」

仕返しだとでも言わんばかりにミスタの手がわたしの服の中に突っ込まれる。腹筋なんて少しも感じられないわたしのお腹を大きな手のひらが撫でていって、思わず悲鳴が出てしまった。
ミスタの顔をちらりと見ると、もう怒った顔はしていない。しかしその代わりにとてつもなく意地悪で欲情しきったいやらしい顔をしていた。
べろりと唇を舐めたミスタは、わたしが先程した様にお腹を撫で回したり指でおへその周りをなぞったりしている。くすぐったいけれど、それだけじゃあない。ミスタのえっちな顔を見たせいか、少し感じてしまっている自分がいる。

「くすぐっ、たい……ッ」
「確かにこれはなかなかいいな」
「ちょ、ぉ……やめ、っ♡」
「なまえがオレの腹を触り続けた気持ちもわかるぜ」

ミスタはわたしのおへそに指を入れたり下腹部をぐいぐい押したりと、どんどん動きをエスカレートさせていく。ミスタのお腹と違ってへなへなの腹部は押されるままに沈み込んで、内臓を刺激する。
気がつけばわたしはお腹を触られながらあんあん喘いで、ミスタにすがりついていた。

「あっ♡あっ♡ごめんな、さいっ♡♡」
「ウンウン、他には?」
「セックス♡♡セックスしたいれす♡♡」
「よし、なまえは素直な良い子だな」

偉いぞぉ、とまるでピストルズを褒める時の様に優しく言うと、ミスタはお腹を触っていた手をわたしのどろどろの下半身に滑らせた。