目の前のテーブルに並ぶ色とりどりのフルーツはどれも美しく切り分けられている。よく熟した、黄色いパイナップルにフォークをつんと刺せば、そこからみずみずしい果汁が滴り落ちた。それをぱくんと口に含むと、甘さと酸っぱさが口の中に広がっていく。一噛みするごとに溢れ出す果汁になんともいえない幸せな気持ちになる。さすが高級ホテルのルームサービス。フルーツもとても美味しい。
ぱくぱくとフルーツを口に運ぶわたしの姿を、正面のソファに座ったマーリンがじいっと見つめている。いつもの見慣れた白いローブではなく、黒いシャツとスラックス姿のせいか少し胸がドキドキする。ソファに座っているだけで、絵画のように美しい。その恥ずかしさを誤魔化すように、わたしはフルーツに視線を戻してオレンジにフォークを突き刺した。
ここに居るのがマーリンじゃなければ「一緒に食べよう」と勧めるところだけれど、残念ながら他のみんなは外出中だ。みんなそれぞれカジノやプールなどで楽しく過ごしているのだろう。今この部屋に居るのはわたしと、目の前の味覚が無い夢魔だけだ。

「とても美味しそうに食べるね」
「おいしいもん。マーリンは味がわからないから残念だね」
「いいんだよ、私は。なまえのその幸せそうな感情を頂くからね」

そう答えたマーリンは、スッと目を細めるとソファから腰を上げて、ゆったりとした動作でわたしの横へ移動してくる。大きなソファなので、広さは十分にあるというのにマーリンはわたしの隣へぴたりとくっついた。太ももや膝が触れ合って、つい意識がそこへ集中してしまう。

「それに、なまえは感情の味がわからないだろう?食べ物の味がわからない私、感情の味がわからないなまえ。ほぅら、お互い様だ」
「それは……うん、そうかも」

確かに感情の味、と言われてもピンとこない。目の前のメロンを口に放り込んで、なんとなく想像してみる。
嬉しい、楽しいという感情もこのパイナップルとメロンのように違ったおいしさなのかもしれない。酸っぱかったり、甘かったり。マーリンは、どんな感情が好みなんだろうか。

「でも舌で味を感じないって、変な感じ」
「そうかい?確かに味はわからないけれど、舌触り、感触はわかる」

マーリンはそう言うと、フォークを握っていないわたしの手をするりと絡め取る。長い指がわたしの指に絡まって、ゆっくりとした手つきで指の又や爪をなぞっていく。その光景がなんだかいやらしくて、目が離せなくなってしまった。

「ほぉら、こうして口に入れてみればなまえの指の柔らかさも舌で感じられる」
「えっ、な、マーリン……っ」

まるでわたしがフルーツを口に入れた時のように、マーリンはわたしの人差し指をぱくんと口の中に入れてしまう。ぬるぬるとした舌が指の形を確かめるように這わされて、肩がびくりと震えてしまった。
ちゅう、と吸われたり優しく指の付け根を噛まれたりしていると、自然と呼吸が荒くなってしまう。ぐにゃぐにゃ生き物のように蠢くマーリンの舌に、すっかりわたしは夢中になっていた。

「……細くて、柔らかくて、小さな爪が愛らしい。舌に味覚が無くとも、こんなにたくさんわかることがあるね」
「んぅ……わか、わかった、ぁっ♡」
「ふふ、フルーツはもうおしまいかい?」

いつの間にかわたしの手から落ちてしまっていたフォークをチラリと見ながら、マーリンはそう言った。せっかくのフルーツだけれど、今は何よりも、マーリンが欲しい。少し指を舐められただけで、わたしの体はすっかり火がついてしまった。
それを見透かしたように、マーリンはにんまりと笑顔を浮かべながらわたしの唇を指でなぞる。

「さて、それなら次は私の食事の番だ。なまえ、君をたっぷり味あわせておくれ」

片手をわたしの腰に回して、ぐい、と引き寄せたマーリンは綺麗な顔を近づけて、優しく「いいかな?」と囁いた。
夜に咲く藤の花のような色の美しい瞳に吸い込まれるようにして、わたしは「いいよ」と無意識の内に答えていた。
マーリンの唇が、わたしの唇を優しく食んでいく。何度もそれを繰り返しながら、空いた片手をわたしの指に絡ませる。指が絡まり合っているだけでも、とっても気持ちがいい。
器用に動く手に意識が傾いた途端、口内にぬるりと舌が入り込んでくる。ぬるぬるとした舌が唾液をかき混ぜて、歯列をなぞる。上顎をくすぐられて、舌を吸われる。
あぁ、マーリンとのキスが気持ちよすぎて、体に力が入らない。

「ふぅ、ん……♡ぅ……♡」
「もっと舌を出してごらん?その方がもっと気持ちがいいよ」
「は、はひ……♡」

マーリンに言われるがままに舌を伸ばせば、そこにマーリンの舌が絡まってくる。あぁ、本当にきもちいい。きもちよくて、どんどん下腹部が疼いてくる。
ぐっしょりと濡れた下着に気がついて、足をもじもじと動かせばマーリンは手をわたしの指から太ももへと滑らせた。するすると太ももを撫で回す手は、スカートの中へと無遠慮に侵入してくる。マーリンの手のひらが肌を撫でるのに合わせて、声が出てしまうのが恥ずかしい。

「ぅ、あ♡マーリン……っ♡」
「かわいいね、とっても美味しいよ」

唾液で濡れた唇を舌で舐めながらマーリンはそう言った。太ももを撫でていたマーリンの手は、すでに下着をなぞっている。
いつのまにか背中のファスナーを下ろしたらしく、わたしの着ていたワンピースはずるりと上半身から落ちていた。マーリンの手が早いのか、わたしが気づかないくらいキスに夢中になっていたのかはわからないけれど、とにかく、このままここで裸になるのはよくない気がする。
ここは個人の寝室ではなく、誰がいつ入ってくるかわからないホテルの一室の共有スペース、リビングなのだ。

「マーリン、誰か帰ってくるかも……っ。ベッド、ベッドに、いこ、ひっ♡」
「おや、まだそんな事を言う理性が残っていたなんて驚いたな」

ちっとも驚いてなんていないくせに、そう飄々と話すマーリンはわたしの言葉を奪うように下着の中心を指でなぞった。何度も上下に往復されると気持ちよくて、マーリンの目論見通りに思考がどんどんまとまらなくなっていってしまう。

「大丈夫。私を誰だと思っているんだい?ちゃぁんと視ててあげるから安心しておくれ」
「あっ♡ほん、とぉ?」
「あぁ、もちろんだとも。誰かここに帰ってくるのが視えたらすぐに教えてあげよう。だからなまえ、キミは存分に快楽に溺れていいんだよ」

「ね?」と顔を覗き込まれると、頭がふわふわする。マーリンの声は心地いい。穏やかで、優しくて、ずうっと聞いていたくなってしまう。
確かに、マーリンの言う通りかもしれない。マーリンは千里眼を持っているのだから、誰かが帰って来るのはわかるはずだ。
そう納得して、わたしはマーリンに導かれるままどさりとソファに横たわった。

「あぁ、いい子だ」

穏やかな声でそう言ったマーリンは、お腹のところでくしゃくしゃと丸まったわたしのワンピースを取り去って、更に下着も外してしまう。それらをソファの下にポトリと落として、わたしの体を思考の読めない美しい瞳で眺めている。マーリンはストールすら外していないというのに、わたしは何一つ身につけていない。
すでに硬く尖っている乳首がマーリンの眼下に晒されて、心臓がドキドキする。わたしの乳首に触れながら、マーリンはうっとりとわたしに語りかける。

「なまえの体はとっても綺麗だね。その上、敏感でいやらしい」
「ひ♡あっ、んぅ♡や、やめ……っ♡」
「どうしてだい?こうしてひどくされるのがなまえはお気に入りだろう?」

ぐにぐにと乳首をひっぱられて、情けない声があがってしまう。乳首をいじめられる度にびりびりした快感が走って、子宮がきゅんきゅん疼く。
マーリンはわたしの体にどう触れればいいのか、わたし自身よりもうんと詳しく知っているのだ。マーリンの指が少し動くだけで、わたしの体はものすごい快感を得てメロメロになってしまう。
早くこっちも触って欲しい、とおまんこからとろとろと愛液が溢れ出す。

「あ♡あ♡マー、リン♡」
「ふふ、物欲しそうな顔をしているね。もうこちらが欲しくてたまらない?」
「あ゛っ♡そ、そこぉ♡」

きゅ♡とマーリンの指がパンパンに膨らんだクリトリスを摘んでみせる。ぬるぬる濡れたそこを、マーリンはわざと逃しては何度も捕まえる。その度にきゅうっときつく摘まれて、わたしは大声で悲鳴をあげた。

「や、あ゛♡それ、だめっ♡クリおかしくなりゅっ♡」
「あぁ、ごめんね。なまえがこんなに濡らしているものだから滑ってしまって。触り方を変えようか」
「あっ♡あっ♡らめぇっ♡」

マーリンはにこりと微笑んだまま、口先だけの謝罪をして指を動かし続ける。小さな突起をしこしこと上下に擦られて、強い快感がわたしを襲った。強すぎる快感に腰を逃がしたいのに、マーリンはそれを許してくれない。
こんなの、頭がおかしくなる。脳がぐちゃぐちゃにされるような強い快感に、泣きたくなってしまう。おまんこが全体がひくひく震えて、今にもイってしまいそうだ。

「も、イくっ♡クリトリスイっちゃう、よぉ゛♡」
「あぁ、いいとも」
「あ゛ー♡あー♡♡ら、めぇっ♡♡♡」

イく♡イく♡と頭の中が快感でいっぱいになって、体が大きく痙攣する。頭の中が真っ白になって、絶頂がものすごく長い時間に感じられた。クリトリスもおまんこも大きく脈打って、どろどろと愛液が溢れ出す。
快感でくらくらしながらもマーリンへと目を向ければ、恍惚とした表情でこちらを見つめていた。
あぁ、食べられてる。そう理解した瞬間に、またじくりと子宮が疼きだす。

「キミは味覚が無いことを残念だと言ったけれど、」
「うあ♡あ゛♡」

ぬぷ、とわたしの中へ指を押し込みながら、上機嫌にマーリンは話を始めた。イったばかりのおまんこを容赦なく責められて、情けない泣き声にも似た喘ぎ声が出てしまう。
まだびくびく痙攣しているおまんこの、中の気持ちいいところをマーリンの指で押されて足ががくがく震えだす。

「この甘露な感情を味わえない方が、よほど残念ではないかな」
「ひっ♡あ、あ゛♡ぅあ♡」
「知っているかい、なまえ。キミはとても美しくて、美味しいんだ」
「あ♡わか、わかんな……っ♡あー♡」
「ふふ、そうだろうね」

ぐぽぐぽとおまんこをほぐされて、もう何も考えられない。気持ちよすぎておかしくなりそうだ。息も上手くできないし、腰は勝手に震えてしまう。
わたしは何かに縋り付きたくて、無我夢中でマーリンへと手を伸ばした。そのことに気がついたマーリンは、にこりと笑って片手で巻いていたストールを外し、わたしへと体を寄せた。

「私の背中に腕を回してごらん」
「ふぁ♡あっ♡マーリンっ♡」

言われるがままにマーリンへしがみつけば、ふわりと花の香りがする。マーリンの匂いだ。マーリンの花の香りが脳を揺さぶる。ほんのり甘く、うっとりするような香り。
ぎゅうっとたくましい背中にしがみついて、ぬちゅぬちゅと音をたてながら続けられるマーリンの責めに必死で耐える。

「んっ♡ふぁ♡あ♡あっ♡」
「もっと私に溺れておくれ」

ぺろ、と唇を舐めるその姿は、間違いなく捕食者のものだった。
マーリンの右手がわたしのおまんこをぐちゃぐちゃにしている。きもちいい♡きもちいい♡すき♡と頭の中でばかみたいに何回も繰り返して、マーリンのシャツを握りしめる。
お腹側のきもちいいところをマーリンの長い指で執拗に擦られると、先程の絶頂感がまた波のようにすぐに戻ってくる。それは確実にさっきよりも大きくて、深い。

「マーリン♡ま、またイっ、ちゃう♡」
「あぁ、イっていいよ。私がそうさせているんだからね」
「ひ、ぐ……っ♡らめ♡♡イく♡♡イ……ッ♡♡♡」

声にならない声をあげながら、再びわたしは絶頂を迎えた。おまんこがぎゅうぎゅうマーリンの指を締め付けている。もっと、もっとと欲しがっているのだ。
じいっとこちらを見るマーリンの視線すら気持ちよくて、どうしよう、息ができない。

「ふふ、気持ちいいね。私も夢中になってしまうな」
「っは、あ♡♡あー……♡♡おまんこ、しゅごい……♡♡」

ひゅーひゅー音を立てながら、必死に呼吸をする。涙やよだれや鼻水で、顔がぐちゃぐちゃだ。マーリンのこの綺麗なシャツも、わたしが強く握ったせいでしわくちゃになってしまっているかもしれない。
気持ちよすぎて苦しいのに、わたしの浅ましいおまんこは、もっともっとと疼いてしまう。やっぱり、指だけじゃ満足できない。マーリンが、欲しい。

「マー、リン♡も、ほし……♡♡いれてぇ♡」
「あぁ、いいとも。なまえが欲しいのは、これかな?」
「あ……♡」

口許だけでにこりと笑ったマーリンは、オシャレなスラックスが膨らんだ様子をわたしに見せつける。マーリンも、興奮してくれている。そう思うとうれしくて胸がドキドキしてしまう。スラックスの下のマーリンのものを思い出して、子宮が物欲しげにきゅうっとした。

「なまえが脱がせて」

わたしの耳元でそう囁くと、マーリンはソファにすとん、と腰掛けた。誘われるままに、わたしはマーリンの膝にまたがってベルトに手をかける。
ストールや着ている服と同じくベルトも品があって高そうに見える。もたもた戸惑いながらもベルトを外して、スラックスの前を開いた。
いつもはマーリンが自分でさっさと脱いでしまうから、こうしてわたしが脱がせるのは初めてかもしれない。なんだかものすごく緊張するし、恥ずかしい。

「ふふ、あとちょっとだね?ほぉら、がんばれがんばれ」
「っ……腰、浮かせて」
「おっと、ごめんよ」

服と同じ、黒色のボクサーパンツをずり下げると、硬くそそり立つマーリンのおちんちんがボロン、と飛び出した。待ち望んでいたそれに、思わずごくりと喉がなる。
そおっとおちんぽに触れると、とても熱くて、どくどくと脈打っている。あぁ、早くこれにめちゃくちゃにされたい。

「なまえ、自分で挿れてごらん」
「は、はひ……♡」

優しくマーリンに促され、おちんぽを入り口に当てがった。ぬちゅ……♡と重たい水音がして、つるつるの亀頭が少しずつ入り口を広げていく。
ゆっくり腰を落としていくと、ぬぷぬぷと沈み込んでいく。無理矢理押し広げられている感覚がたまらない。おまんこが、マーリンのおちんぽに懐柔されていっている。

「あ……♡♡あー……っ♡♡」
「いやらしいね。私のものをどんどん飲み込んでいってる」
「ん、あ♡あ♡おく♡きた、あっ♡」

根元までぴっちりとおちんぽを咥え込むと、自然と亀頭が子宮口に当たってしまう。目の前がチカチカして、まだ挿れただけなのにイってしまいそうだった。

「ひっ♡あっ♡ま……っ♡う、うごか、ない、でぇっ♡」
「あぁ、ごめんね。もう、止まれない」
「やっ、あ゛♡おまんこ、イっ♡♡」

ぬちゅぬちゅと音を立てながら、マーリンは腰を動かし続ける。下から突き上げられる度にとてつもなく気持ちよくて、こわくて、しあわせで、頭の中がぐちゃぐちゃになる。
マーリンの体に腕をまわしてしがみつくと、ギラギラ輝く瞳と目があった。バチリと視線が絡まり合うと、もう視線を逸らすことができない。

「ま、りんっ♡イく♡♡イ゛く♡♡」
「っ、はぁ……いいよ。全部、食べてあげる」
「あ゛♡あ♡あーっ♡♡♡」

マーリンの瞳を見つめながら、びくびくと絶頂を迎える。マーリンのおちんぽの形がわかるくらいにぎゅうっと締め付けて、頭のてっぺんから足の先まで快感でいっぱいになる。
すると突然、ぐい、と頭を押さえられ、マーリンが自分のおでことわたしとおでこをこつんとくっつけた。

「あぁ、酔ってしまいそうだ」

うっとりと頬を上気させながら、マーリンは独り言のように呟いた。わたしの顔はぐしゃぐしゃだというのに、マーリンの顔はとても綺麗で、それでいてすごくえっちだ。
そして、がぶりとわたしの唇に噛み付くと、呼吸ごと食べてしまうような激しいキスを繰り返す。
おちんぽは子宮口にぐりゅぐりゅと押し付けられていて、激しく出し入れしているわけでもないのにどうにかなりそうなくらい気持ちがいい。

「んむ♡ん♡ふ、ぅ゛♡♡〜〜〜〜♡♡」
「はぁ、なまえ……」

先程の言葉通り、酔っているのだろうか。マーリンは珍しく恍惚とした表情をして、わたしの顔を見つめてはキスを繰り返している。まるで愛情をたっぷり注がれているようで、頭がくらくらする。

「おっと、夢中になりすぎてしまったな」

突然、パチリとスイッチが入ったかのように、いつもの余裕の表情に戻ってしまった。

「な、なに……♡ん、あ゛♡」
「複数のサーヴァントがエレベーターに乗ってこちらへ向かっている。なまえがあまりに美味しいものだから、つい視るのを忘れてしまっていたよ。ごめんね」

へらへらと笑いながら、マーリンはそう言ってのけた。ひゅっと心臓を鷲掴みにされたような感覚がして、おまんこがびくびく震えてしまう。みんなが、戻ってきている。

「は、はやく、寝室、にぃ……♡♡」
「私としてはこのままでもいいのだけれど」
「だ、だめぇ♡あっ♡やぁっ♡はや、くぅ♡♡」

マーリンはくすくす笑いながら、腰を動かすのをやめてくれない。やめてほしいはずなのに、強く拒否できない。でも、このままでは見られてしまう。ぐるぐると思考が渦巻いて、もうどうしたらいいのかわからない。
そんなわたしの様子を見て、マーリンはにんまりと口で弧を描いた。

「ふふ、冗談だよ。すべてはなまえの望み通りにね。さぁ、寝室で続きといこうじゃないか」
「つづき、って、みんな、いるのに……っひゃんっ♡」
「私はまだ射精していないからね。なまえ、欲しいだろう?私の精液」

ひょい、とマーリンに抱えられてそう問いかけられる。いらない、とはとても言えない自分に目眩がする。マーリンのすべてが欲しいと思うくらい、わたしはマーリンに溺れているのだ。
うぐ、と口をつぐんだわたしの代わりに、マーリンが甘い声で話を続ける。

「それに、私もまだなまえが食べたいからね」

寝室のドアは、目の前だ。