隆くんの真剣な横顔がイケメン、なんて八戒くんが言っていたけどまさしくその通りだと思う。仕事中の隆くんはものすごくかっこよくて、いくらでも見ていられるくらいだ。
なので、わたしは黙々と仕事する隆くんをソファに座って見ているこの時間がとても好きだ。眼鏡も似合うなぁだとか、まつげ長いなぁなんて考えながらかっこいい隆くんの顔を眺めていると、隆くんはうーん、と伸びをしてこちらを見た。
「ちょっと休憩しよっかな」
「おつかれさま」
仕事用の椅子を立った隆くんは、わたしの隣に座ってはーっと大きく息を吐いた。ソファにもたれて眼鏡を外す、それだけの動作なのにすごく絵になる。かっこいい。
「なまえ、今日ほんとにごめんな。出かける予定だったのに」
「全然大丈夫だよ。わたし、こうやって隆くんが仕事してるとこ見るの好きだから」
「ありがと。今度埋め合わせ絶対する」
にこっと優しく微笑んだ隆くんは、そう言うとわたしの頭を撫でた。急な仕事が飛び込んできて大変なのは隆くんなのに、こちらを気遣ってくれるなんて本当に優しい。
隆くんは頭を撫でていた手をそのままわたしの頬にやると、かっこいい顔をすっと近づける。隆くんの唇はちゅっとかわいい音を立てるとすぐにわたしの唇から離れていった。
「…………失敗した」
「へ? なにが?」
失敗って、今のキスがなにか失敗だったのだろうか?
言葉の意味がよくわからなくて、首を傾げて隆くんを見る。隆くんは照れ臭そうに眉を下げて笑い、わたしの顔を見つめた。
「一回キスしたらもっとしたくなった」
なにそれかわいい!
きゅーんっと胸がときめきまくるのを感じて、わたしはもう隆くんにメロメロになってしまった。もっとキスしたい、と隆くんが言うならわたしはもちろん大歓迎だ。
「もっとしたらだめなの?」
「……止まらなくなりそー」
「うーん、じゃあもっとじゃなくて……もう一回だけするっていうのは?」
「それはずるくねぇ?」
するに決まってんじゃん、と口を尖らせた隆くんは、わたしの後頭部に手を添えると、再び唇を重ねた。
しかし、先程と同じようにすぐに離れていくかと思った隆くんの唇はわたしの唇にくっついたままで、そのままずるずるとソファに押し倒されてしまう。そして気がつけば、隆くんの舌を口の中に押し込まれていた。
「ん、んぅ……? ふ、ぁ♡」
隆くんの舌がちゅぷちゅぷとわたしの舌を舐めまわし絡めとる。
キスはどんどん深くなって、隆くんの視線もじりじりと熱いものになっていった。恥ずかしくなったわたしが目を閉じれば、隆くんが喉の奥でくつくつと笑い、わたしは余計に恥ずかしくなってしまった。
混ざり合った二人の唾液が口の端からとろりと溢れると、隆くんはやっとわたしの唇を解放する。
そして悪戯っぽく笑い、わたしの頬を大きな手のひらで撫でた。その表情もまたかっこよくてずるい。
「あーあ、なまえこぼしてる」
「ご、ごめんなさい……♡んむ♡」
べろりと溢れた唾液を舐めとって、隆くんはもう一度わたしの唇に噛みついた。キスは一回だけだったはず、なんて思ったのは一瞬で、すぐに隆くんのキスの気持ちよさでどうでもよくなってしまった。
ぢゅうっ♡とえっちな音と共に舌を吸われ、歯でぐにぐにと優しく噛まれる。
それに反応して腰を跳ねさせれば、下半身をぐっと押し付けられた。
「はっ、あ……♡隆くん……っ♡」
「ン、なーに」
「いっかい、だけって……んんっ♡」
ゆっくりと内腿を撫でられて、ぞくぞくしたものが体に走る。反射的にそちらに目を向ければ、隆くんと出かけるつもりで着ていたお気に入りのワンピースの裾がすっかり捲れていた。
丸出しになった下着に隆くんが指を引っかけて、こつんとわたしのおでこと自分のおでこをくっつける。まるでこっちを見ろと言われてるみたいで素直に隆くんの瞳を見れば、隆くんは目をすっと細めて低い声で囁いた。
「だから止まらなくなるって、言っただろ」
「ひっ……♡たか、っ♡」
名前を呼ぼうとした口を、また隆くんの唇で塞がれる。するすると下着を太ももへと下げられていく感覚にぶるりと震えながら、わたしは流し込まれる隆くんの唾液を飲み込んだ。
キスをしながら興奮した表情でわたしを見つめる隆くんは、やっぱりものすごくかっこいい。