「あ」
夜、下着姿のわたしをベッドに押し倒し、こちらが酸欠になるくらい深く、激しいキスを繰り返していたホークスがふいにそう呟いて顔を離した。
くらくらする脳みそに必死に酸素を送りながらホークスを見上げると、「ちょっと待ってて」と唾液で濡れた口許を腕で拭いながら笑う。
こんなタイミングで中断するなんて珍しいなぁ、なんてぼんやりと思いながらわたしはベッドの上で起き上がり、こくりと頷いた。
「やっぱり無い」
「へ? なにが?」
「ゴム。こないだ使い切った気がしたんだよね」
「ごむ」
ホークスは下着一枚のままベッドサイドの引き出しをごそごそと探り、空っぽのコンドームの箱をひっくり返す。
こないだ使い切った、という言葉で数日前の事を思い出し、顔にかあっと熱が集まった。たしかにあの日は何個か一気に消費した……気がする。わたしはあの時、意識が朦朧としていてよく覚えてないけれど。
赤面するわたしをよそに、ホークスは0.02とデカデカと書かれた箱をゴミ箱にポイ、と放り投げながらへらりと笑ってみせた。
「んー……ちょっと今からひとっ飛び行って買ってくるから、少しだけ待っててくれる?」
「い、今から!?」
「すぐに戻って来るから、お利口にしてて」
ね、と笑いながらホークスはわたしの頬をゆっくり撫でる。ついさっきまでえっちなキスを散々されていたせいで、それだけでも体がびくりと反応してしまうのが恥ずかしい。わたしは下半身にまとわりつくようなじわじわとした快感を振り払うように、ぶるぶると首を振ってホークスを見つめた。
「ダメ! です!」
「え〜?」
たしかにホークスなら飛んで行って帰ってくるのに、本当にほんの数分しか掛からないだろう。
だけど、買いに行く物がコンドームなのはダメだと思う。
大人気ヒーロー、ホークスが夜更けにコンドームを買って飛び帰って行く姿なんてみんな見たく無いはずだ。ヒーローコスチュームを身につけていなくても、ホークスは十分すぎるほどに目立つ。
コンドームを持ってレジに並ぶ姿が万が一にでも撮られたりしたら一大事である。すぐにSNSで拡散され、そのまま炎上、ネットニュース、週刊誌掲載……そして偉い人からのお叱り。なんなら、わたしが各所から怒られるかもしれない。これはいけない。
「ヒーローがコンドーム買う姿は見せちゃいけないと思うよ」
「そっかなぁ、なまえちゃん気にしすぎじゃない?」
「とにかくダメです!」
「わかった、じゃあネットで注文しとく」
わたしがキッパリと言い切ると、ホークスはケロリとした様子でスマホを手に取った。そしてスマホをものすごい速さで操作し元通りに置くと、スッと目を細めてわたしに再び顔を寄せる。
ベッドのスプリングが沈み、ホークスの指がわたしの体をなぞっていく。
「それじゃあ、今日はどうしようか」
「えっと……今日はもう、やめにして……」
「うん? やめにして?」
「続きは、ま、また……こんどに、ぃ……っ♡」
話している途中でホークスの指がわたしの下着の中心を撫でるものだから、つい甘ったるい吐息が漏れる。
だめ、と肩を押してみても、ホークスは離れるどころかわたしのことをまたベッドに押し倒してしまう。わたしを見下ろすホークスの顔は、笑ってるのにいじわるだ。
「でもさぁ……なまえちゃん、こんなになってるよ」
「だって、それは、あっ♡」
「ほら、ちょっと撫でただけでえっちな音してる。なまえちゃんがこの状態で我慢できるとは思えないけどなぁ」
「やあっ♡そこ、ひっかいちゃだめぇっ♡」
ホークスの言う通り、そこは少し撫でられるだけでくちゅくちゅとえっちな音が鳴ってしまっている。
更には下着の中でぷくんと膨らんだ小さな突起を引っ掛けるように指先を何度も動かされ、それに合わせて腰がびくびく跳ねてしまう有様だ。
「はは、かわいい顔」
「ひっ♡う、あ♡ホークスぅ……♡」
「クリトリス気持ちいいね」
ぐりぐりと指の腹でクリトリスを押し潰しながら問い掛けられ、わたしはさっきまで押し退けていたはずのホークスの体にしがみつく。体が熱くてたまらない。
ホークスに与えられる快感に夢中になって喘いでいると、ホークスは突然指を離してしまった。急に快感をせきとめられ、刺激を求めて腰が勝手にかくかく揺れる。それをわざと無視して、ホークスはぐっしょりと濡れておまんこに張り付く下着のウエスト部分をいたずらになぞっていた。
「それで、なんだっけ? 続きはまた今度でよかったのかな?」
「や、やだあ……っ」
反射的に否定すると、ホークスはくすくすと笑い声をもらした。自分で『また今度』なんて言ったものの、こんな状態でお預けをされるのはつらすぎる。早すぎる掌返しに我ながら呆れるが、わたしをこんな風にしたのはホークスだ。
「うん、俺もやだ。我慢できない」
「んっ♡ひあ♡」
べとべとに濡れた下着がホークスの手によって引き下ろされ、そのまま足から抜かれていく。
ぐずぐずになったおまんこにぬぷ、と指が一本押し込まれて、体がぶるりと震えた。ホークスはぐちゅぐちゅとすごい音を立てながら指を動かし、わたしにぐっと顔を寄せた。
「だからさ、今日は素股だとかシックスナインとかオナニーの見せ合いとか、ちんこハメる以外の事ぜーんぶやって二人で気持ちよくなっちゃおうか。大丈夫、俺がちゃんとなまえちゃんを満足させてあげるよ」
「……っ♡ぅ、うあ♡あ゛っ♡」
ホークスのわざとらしいえっちな言葉にぞくぞくとしたものが体に走る。今からされる事に期待して、おまんこがきゅうきゅうホークスの指を締め付けてしまうのが恥ずかしくてたまらなかった。
そんなわたしを見透かす様ににんまりと笑ったホークスは「かわいか」と呟いてわたしの唇にキスをする。すでにおまんこの奥がホークスを求めて切なくなってしまっていることに気づかないふりをして、わたしは剛翼の生えたたくましい背中に腕を回した。