「SMに興味がある——ですか?」
穏やかな音楽が流れる真昼間のコーヒーショップに天彦さんの低い声が響き、隣のテーブルに座る男性客がちらりとこちらに視線を送る。わたしはかあっと熱くなる顔を誤魔化すように目の前のラテを一口飲んで、天彦さんに「声が大きいです」と小声で訴えた。
元はと言えばこんな場所でこんな話をしたわたしが悪いのだけど、まさかこんな堂々と大きな声で繰り返されるとは。さすがワールドセクシーアンバサダー。
「あぁ、すみません。思いもよらないセクシーな話題だったので、つい」
「あっ、いえ。こちらこそ急にすいません。……その、わたしはMなのかも、と前から思ってて……天彦さんはSでもMでもないというのは知ってるんですが、あの、一度試してみたいな、なんて」
もごとごと言葉を詰まらせながらなんとかそう言い切ると、静かにわたしの話を聞いてくれていた天彦さんが「なるほど」と微笑んだ。そこでハッと気がついて、わたしは慌てて言葉を付け加える。
「もっ、もちろん普段の天彦さんとの行為が物足りないだとか飽きただとかではなくて、自分でもよくわかっていない性的嗜好をハッキリさせたいという意味でですね」
「安心してください。なまえさんの言いたい事はちゃんと伝わっていますよ。こうして相談してもらえてうれしいです。なまえさん、どうもありがとう」
いつもと変わらない調子の優しい天彦さんの言葉にほっと胸を撫で下ろす。天彦さんとお付き合いしているからこそ、自分の性的嗜好についてきちんと相談したかったのだ。
「それじゃ、早速この後試してみましょうか」
「こ、このあと⁉︎」
「ええ。善は急げ、思い立ったが吉日、好機逸すべからず、ですよ」
「でも、そんな急に」
「大丈夫。ワールドセクシーアンバサダー、天堂天彦にすべてお任せ下さい」
天彦さんが席を立ちながら高らかにそう宣言すると、隣のテーブルの男性が、ぶはっとコーヒーを吹き出してごほごほと咳払いをする。恐らく、いや、絶対にわたしたちの会話のせいだ。変な会話を聞かせてしまってすいません、と心の中で平謝りし、わたしも天彦さんに続いて慌てて席を立った。
♡ ♡ ♡
心臓がドキドキうるさくてたまらない。目の前に広がる光景は非日常的で、緊張のせいか興奮のせいか、手のひらにじわりと汗が滲むのがわかった。
赤と黒で彩られた室内はいかにもアブノーマルな雰囲気で、壁にはX字の磔台のようなものが設置されている。手枷足枷の付いた椅子は見たことのない造形をしているし、部屋の中央にあるベッドは一際大きい。更に言えば、トイレやバスルームはガラス張りだ。
天彦さんとわたしは、とあるラブホテルのSMルームに居るのである。
どうすればいいのかわからず、きょろきょろと部屋の中を見渡すばかりのわたしとは相反して、天彦さんは随分落ち着いている。
ここへ来る前にシェアハウスに立ち寄り取ってきた鞄をベッドの上に置いて、天彦さんはゆったりと口を開いた。
「もう一度確認しておきたいんですが、なまえさんはM——つまり、マゾヒストかもしれない、ということでしたね?」
「は、はい、そうです!」
「わかりました。今回は試しですし、ソフトにやっていきましょう。……ふふ、そんなに緊張しないで。さあ、こっちにおいで」
にっこりと微笑み、いつものように手を伸ばしてわたしを呼ぶ天彦さんの雰囲気にふっと緊張がほぐれていく。誘われるままに天彦さんの腕の中に飛び込めば、天彦さんは優しく頭を撫でてくれた。そのまま優しくベッドへと誘導され「まずは服を脱ぎましょうか」とわたしの胸元を指でつうっとなぞった。
「……っ、はい……」
「もし寒かったら言ってくださいね」
天彦さんに言われた通り、衣服を一枚また一枚と脱いでいく。これからどんな事をされるのかドキドキしているせいか、裸になっても寒さは全く感じなかった。
天彦さんはソフトに、と言っていたし、手を軽く縛られちゃうだとか意地悪な事を言われちゃうだとかだろうか。もしかしたらオモチャを使うとかかも……。
そんな事を考えながらわたしがベッドでドギマギしている間、羽織っていたジャケットを脱いだ天彦さんは鞄の中から何かを取り出していた。
「天彦さん、そういえばそれは何を持ってきたんですか?」
「今から使う物を色々と、です。あぁ、どれも新品未使用ですから安心してくださいね。趣味で集めているものや前もって用意していたものですから」
パチリとウインクして見せた天彦さんの言葉にいくつか疑問を持ったものの、それを口にすることは出来なかった。
その手に握られていた赤い手枷に意識が奪われてしまったからだ。赤いてかてかとしたベルトのようなものが、じゃらりと重たい音を鳴らす鎖で繋がっている。
「さあ、手を出して。天彦に身を任せてください」
「は、はい……」
「いい子だ」
天彦さんはテキパキとその手枷をわたしの手首に装着していく。てっきり両手を一つに繋がれるのだと思っていたのだが、どうやらそうではなかったらしい。
わたしの右手首は右足首と、そして左手首は左足首とそれぞれ手枷足枷の鎖で繋がっている。自然と足がM字になって、大切なところが天彦さんに丸見えになってしまう上に、手も足も自由に動かせない。
どうして趣味でこんなものを所持しているのか、拘束が本格的すぎやしないか、何故こんなに手慣れているのか、言いたい事はたくさんあるのに、羞恥と興奮のせいで一つも言葉が出てこなかった。
生まれて初めての感覚に困惑するわたしを見下ろして、天彦さんは「とってもセクシーですよ」とうっとりと目を細める。
「さて、拘束されてみていかがでしょう? 体の隅々まで丸見えで、僕が手を貸さなくては体を起こすことすら叶いません。今、なまえさんの体の主導権はなまえさんには無い」
「……っ♡」
ただ、手足を拘束されただけなのに。呼吸がふうふうと浅く荒くなって、全身がぶわっと熱くなる。天彦さんの思うがままにされるしかない今のこの状況に、わたしの体はすっかり興奮してしまっているのだ。
そんなわたしの様子を見た天彦さんはすべてを見透かしたように「お気に召したようでなによりです」とくすりと笑って、わたしの太ももを撫で上げた。
「では、今からこちらの鞭でなまえさんのお尻を叩きます」
「えっ、あ……?」
ずい、と目の前に差し出されたのは持ち手から何本もの革紐が垂れ下がる、黒い鞭だった。あやすようにしてわたしの頬を優しく撫でる天彦さんは、小さな子どもに言い聞かせるみたいに優しくゆっくりと手の中の鞭について説明をした。
「これは初心者向けの鞭で、バラ鞭といいます。ほら、鞭の先が多いでしょう? その分音は大きく鳴るんですが痛みは少ないんです」
「そうなんですね……?」
「はい。なまえさんはきっと気にいると思いますよ」
さあ、お尻を向けましょうか。という天彦さんの言葉と同時に体がころりと裏返される。手足を拘束されているせいで腕で上体を支えることができず、自然とお尻だけを突き出す体勢になってしまう。
それを恥ずかしいと思う間もなくお尻を鞭の先でさわさわとくすぐられて、全身がびくりと強張った。ほんとに、ほんとに今からあんな本格的な鞭で叩かれちゃうんだろうか。ほんの数時間前にMかもしれない、と話したばかりなのに?
「ふふ、かわいいお尻だ」
「っあまひこ、さ……っあ゛っ!」
ばしんっと乾いた大きな音が鳴って、お尻に衝撃が走る。天彦さんの言う通り、最初に思っていたよりも痛みは少なかった。少ないというだけで、痛いことには変わりないのだけれど。
そして何故か、お尻にじわじわと広がる鈍い痛みに何故かおまんこがひくひく震えてしまっている。
どうしよう、痛いのに、気持ちいい。
「あぁ、叩いてもらったらお礼を言わないと。なまえさん、お礼、言えますね?」
「あっ♡ありがとう、ございます♡」
「はい、よく出来ました。お利口さんですね」
「うあ゛っ♡」
また鞭でお尻を叩かれて、全身がびくりと跳ねる。叩かれた衝撃がお腹の奥に響いて、目の前がチカチカする。まるで、イってる時みたいに。
「い゛っ、あ……っ♡」
「体の自由を奪われ、鞭を受ける気分はどうですか? ——随分と良さそうに見えますが」
ばちん、ばちん、と大きな音を鳴らしながら叩かれる度に勝手におまんこがきゅうきゅう収縮して、愛液がぼたぼたベッドに溢れ落ちていった。繰り返し叩かれて少しずつ痛みは大きくなっていっているのに、それ以上に快感が大きくて頭の中が混乱する。
じっとして鞭を受けてるだけなのにじわりと全身に汗がにじんで、心臓がどうにかなってしまいそうなくらいに早く鼓動していた。
「わ、わかんな、い゛っ♡なんで……っ♡これ、イ゛っちゃ、っ♡」
「どうぞ、イってください。鞭でいやらしくイくところ、天彦がちゃんと見ててあげますから」
「あ♡あ゛〜〜〜〜っ♡♡♡」
再び鞭をお尻に振り下ろされたその瞬間、泡が弾けるみたいにおまんこが勝手に絶頂する。天彦さんに指一本だって触れられてないおまんこがお尻を叩かれてイってしまっているのだ。自分の体に何が起きているのか訳がわからなくて、頭の中がぐちゃぐちゃだった。
「あぁ……なまえさん、よく頑張りましたね。とっても偉いですよ」
「ひぅ♡う、あ……♡」
「一度体勢戻しましょう。鞭で絶頂したかわいいお顔も見せてください」
再び体を仰向けにされたかと思えば、天彦さんがわたしの顔を覗き込む。にこりと微笑んだ天彦さんは、いいこいいこ、えらいですね、と繰り返してわたしの頭を優しく撫でてくれた。褒められたうれしさで頭の中がぽーっとする。これがまさしく、飴と鞭ってやつなのかもしれない。
「お利口に鞭を受けられたなまえさんには、ご褒美をあげなくちゃいけませんね」
「ごほうび……? あっ♡♡」
ぐちゅ♡と重たい水音を立てて、天彦さんがわたしのおまんこを下から上へと撫で上げる。鞭で叩かれて絶頂したそこはもうどろどろになっていて、天彦さんが指を動かす度にぐちゅ♡ぐちゅん♡とえっちな音を立てていた。
数回割れ目を往復した天彦さんの指はガチガチに勃起してしまっているクリトリスを見つけると、それを指の腹でくるくると撫で回した。根本から先っぽまでを優しく撫で、時折ぐりゅ♡と押しつぶされる。
「なまえさん、クリトリス好きでしょう? ご褒美ですからたくさんしてあげましょうね」
「やっ♡あ♡あ゛〜っ♡♡」
楽しそうに話す天彦さんの表情がとってもえっちで頭がくらくらする。しこしこ♡くりくり♡と天彦さんの指がクリトリスをいじめ続けて、おまんこがずっと痙攣してしまっていた。
強すぎる快感に腰を引こうとしても手足を拘束されているせいでうまくいかず、手枷足枷がカチャカチャと音を鳴らすばかりだ。自由に動けないという事実で余計に快感は大きくなっていた。
「あ♡あ♡らめ♡あまひこさんっ♡これ、またイっちゃう♡♡イ゛くっ♡♡」
「いいですよ。イってください」
「いく♡いくいくいくっ♡あ♡あ゛〜っ♡♡」
びくんっと腰が一際大きく跳ね、すさまじい快感が全身をかけめぐっていった。おまんこはどっくん♡どっくん♡と脈打って、ごぽりと愛液を溢れさせる。脳が溶けていくような快感で呼吸もうまく出来なかった。
「ひっ♡な、なんでぇ? いま、イ゛っ♡イったあ♡イったから、やめ……っ♡♡」
イってる間わたしのクリトリスをぐっと圧迫していた天彦さんの指が再び動かされ、わたしは唯一自由になる首をぶるぶると左右に振った。
いつもならわたしがイったら休ませてくれるのに。
イったばかりのクリトリスの皮を剥かれて、ぐりぐり指の腹で押し潰されてる。今まで経験したことのない苦しいくらいの快感で腰が勝手にがくがく震えてしまっていた。
「も、クリらめぇ♡あまひこさ、あ゛っ♡♡」
「たくさんしてあげると言ったでしょう? あぁ、クリトリスだけでは足りない、ですか?」
「ちが、ひう゛っ♡♡」
にこ、と笑う天彦さんは、クリトリスをいじめながら、わたしに見せつけるようにして乳首をぺろりと舐め上げてみせる。つんと勃ってしまっている乳首の先っぽを舌先でぐりぐりとほじるようにされ、おまんこが早すぎる次の絶頂を迎えようとひくひく痙攣していた。
いつもの優しいセックスとはまるで違う暴力的なまでの快楽責めで、脳の大事な部分がだめになっていく気さえする。気持ちよすぎてつらいくらいなのに、天彦さんに与えられるそれがうれしくてたまらない。
「あ゛♡らめ♡またいくっ♡い゛くっ♡♡〜〜〜〜っ♡♡」
全身がぐっとこわばって、三回目の絶頂を迎える。連続でイったからか絶頂の快感がさっきよりも深くて長くて、怖いくらいだった。もはや全身は汗びっしょりで、ひりひりするお尻の下のシーツは愛液でぐしょぐしょになっている。こんな短時間に連続でイくのは初めての経験で、おまんこもクリトリスも痙攣がちっともおさまらない。
ひっ、ひっ、と必死になって呼吸を繰り返していると、天彦さんは酸欠のわたしの唇に噛み付くようにキスをして、そのまま口内を舌で犯される。わたしの舌に絡まる天彦さんの舌が熱くてぬるぬるで、どうしようもないくらいに気持ちいい。
「ん゛♡んう゛♡う〜っ♡♡」
深いキスをしたまま天彦さんの太い指がおまんこにゆっくりと挿入され、腰がびくんっと大きく跳ねる。天彦さんの指はお腹側の気持ちいいところをとん♡とん♡と繰り返し圧迫したり、そこを引っ掛けるように指を曲げたままぐちゅぐちゅと出し入れしたりとわたしの体を追い詰めていった。
散々クリトリスでイかされたおまんこは天彦さんの指をきゅうきゅう締め付けて、今にもまた絶頂を迎えそうになっている。
苦しくて気持ちよくて、目の前がチカチカした。酸欠のせいか、絶頂寸前のせいか、全身がふわふわする。イく♡イく♡と頭の中が快感で塗り潰されたその瞬間、天彦さんはわたしの唇を解放したのだった。
「っげほ、けほっ、ひっ、う、あ゛♡あ゛っ♡♡」
流れ込んできた酸素に咽せるや否や、おまんこがきゅ〜っ♡と一際強く天彦さんの指を締め付けて絶頂する。全身が勝手に跳ね、手足を拘束する鎖がガチャガチャと音をたてた。
「——まったく、貴女という人は……」
「ぅあ……♡あ♡」
徐々にクリアになる視界の中で、天彦さんは見たことがない加虐的な顔をしてこちらを見下ろしている。それを見た瞬間、ずくんとお腹の奥が疼いて、わたしのおまんこは物欲しげに天彦さんの指を締め付けてしまっていた。
「よくこれで『Mかもしれない』なんて言えたものです。どこからどう見ても、立派なマゾヒストですよ」
「っ♡ひうっ♡」
「ほら、自分で口にしてみてください。自分はマゾだと」
そう話しながら、天彦さんはおまんこからずるりと指を引き抜いた。
天彦さんに言われた言葉が頭の中でぐるぐると回って、体がぶるりと震える。わたし、マゾなんだ。そうはっきりと自覚する、それだけでお腹の奥で子宮が悦んでしまっていた。
「わ、わたしは、マゾです……っ♡あまひこさん、もっと、いじめてください♡♡」
「っはは、よろこんで。いくらでもいじめてあげますよ」
スッと目を細めた天彦さんはわたしのせいでぐしょぐしょになった指をぺろりと舐め、お腹に響く低い声でそう言った。うれしい、しあわせ、と多幸感で視界がぐにゃりと歪む。
天彦さんははあっと熱い吐息を吐くと、着ていたシャツを脱ぎ、ベルトを外し、パンツと下着に手をかける。ただ服を脱いでいるだけなのに、天彦さんの体が余りにも綺麗だからか、その妖艶な所作のせいなのか、まるでストリップショーでも見ているみたいだ。
釘付けになるわたしに見せつけるようにして露わにされたおちんちんはガチガチに勃起していて、先っぽに透明な雫を滲ませていた。
「そんなに待ち遠しいですか?」
「あ……っ♡」
ずい、と突然目の前におちんちんを差し出され、自分でも目がとろけるのがわかった。ビキビキと血管の浮くおちんちんはぐんと反りかえっている。舐めたい、という気持ちのままに舌を伸ばせば天彦さんは「まだお預けです」と腰を引いてしまった。
「お口の調教はまた今度、じっくり時間をかけてやりましょう」
楽しみにしててくださいね、なんて話をしながら、天彦さんは手慣れた様子で避妊具を装着する。そして流れるようにわたしの手足を繋ぐ枷を外し、今度は手だけを拘束してみせた。
鎖で繋がった両手を頭の上で押さえつけられればまた簡単に身動きが取れなくなってしまう。こんな状態で挿れられちゃうんだ、と意識するとまたお腹の奥がきゅんきゅんした。
「あ、あまひこさん……っ♡」
「挿れますから、力を抜いててくださいね」
散々イかされてぐずぐずになったおまんこにおちんちんが押し当てられ、上擦った声が出る。ぬぷ……♡とゆっくり中に押し入ってくる感覚に全身の肌が粟立った。まだ挿れられているだけなのにとんでもなく気持ちよくて、無意識につま先がぴんと伸びてしまう。
「あ♡あ♡おっき、い♡」
「っは、気持ちいいですね、なまえさん……♡」
「きもち、いいですっ♡ひぎゅっ♡♡」
とちゅん♡と一番奥におちんちんが当たって、びくっと腰が跳ねる。これ、やばいかもしれない。そう思ったのも束の間、そのままゆるゆると腰を動かされ、大きな快感の波に思考は飲み込まれていった。
天彦さんが動くたびにぐちゅぐちゅとえっちな音が鳴っている。決して激しく腰を打ちつけられている訳ではないのに、すでに意識が飛びそうなくらいに気持ちよくて太ももがぶるぶると震えてしまっていた。
「これ、またすぐイっちゃう♡あまひこさんっ♡♡」
「ええ、どうぞ。イって下さい……っ♡」
「イく♡いきまひゅ♡い゛っ……♡♡」
おまんこがきゅ〜っ♡と収縮し、天彦さんのおちんちんを締め付ける。頭の中で火花が弾けて全身がふわふわとした絶頂の快感に包まれた。そのどうにかなってしまいそうな快感にメロメロになっている最中、ふいにどちゅんっ♡と子宮を押し潰され、わたしは背中をのけぞらせる。
「え、あ゛っ? まだっ♡まだい゛ってる♡♡おまんこいってる、のにっ♡♡」
「ふふ、アクメまんこいじめてもらえてうれしい、ですか?」
「あ゛っ♡あっ♡らめ♡いま奥らめえ゛っ♡♡」
完全にキャパオーバーの快感を与えられたせいで頭が混乱して、天彦さんが何を言っているのか理解できない。なんとか快感を逃がそうと拘束された両手でシーツをぎゅうっと握ってみたものの、そんなの何の意味もなかった。
子宮口を捏ね回すみたいにおちんちんをぐりゅぐりゅ奥に押し付けられ、おまんこが甘イキを繰り返す。
こんな、こんなの、気持ちよすぎておかしくなる。
「ず、ずっと、いってる♡♡おまんこい゛ってまひゅ♡♡」
「連続アクメでぐちゃぐちゃになってるなまえさん、とってもかわいいです」
「ひっ♡やら♡そこ触っちゃ、〜〜〜〜っ♡♡」
おちんちんを奥に押し付けるのと一緒にクリトリスをぎゅうっと摘まれ、尿道から勢いよく透明な液体が吹き出す。それを見た天彦さんは「おや」と楽しそうな声を出した後、おちんちんを抜けてしまうギリギリまで引き抜いて今度はちゅこちゅこと浅い抽送を繰り返した。
「潮吹きしてくれるとは思いませんでした。せっかくですから吹き癖付けちゃいましょうね……♡」
「っ、やっ♡あ゛っ♡なんれこれ、とまらな、あ〜♡♡」
天彦さんの腰の動きに合わせて潮が吹き出して、自分ではどうすることも出来ない。さっきまでの目の前がチカチカするような子宮口責めの快感からは解放されたものの、今度はGスポットの快感とまるでおもらしをしてしまっているかのような羞恥心に襲われる。
恥ずかしくてたまらないのに天彦さんに「上手上手♡」と笑われるとうれしくて気持ちよくて、わたしは潮を吹きながらまたイってしまった。
「イキ潮もとってもお上手、です……っ」
「お゛っ♡♡」
ばちゅんっ♡と腰をぶつけられ、おちんちんが一気に奥まで押し込まれる。子宮を思い切り押し潰され、自分でも聞いたことのないような声が出た。それに驚く暇もなく、そのまま激しく腰を打ちつけられて意識が飛びそうなほどの快感を与えられる。
「すいません、流石の僕もそろそろ我慢の限界です。……なまえさんが可愛すぎるので」
「あっ♡ぅあ♡あ゛っ♡♡」
肌がぶつかる音やいやらしい水音、天彦さんの荒い呼吸の音やわたしの喘ぎ声が部屋中に響いている。もう何も考えられないくらいに気持ちよくて、わたしは無我夢中で喘ぎ続けた。
「なまえさん……♡一緒に、絶頂しましょう……ッ」
「んむ゛♡♡う♡うぅ゛〜っ♡♡」
噛み付くようなキスをされ、呼吸ごと天彦さんに食べられるみたいに口内を舌で犯される。もう動かすことなんて出来ないわたしの舌を天彦さんの舌が絡めとって、境目がわからないくらいにとろとろにしてしまう。あつくて気持ちよくて、くるしくてうれしくて頭がくらくらした。
わたしの意思とは関係なくおまんこが何度も潮を吹き、精液を欲しがるみたいに収縮する。天彦さんがぐうっと一際強くおちんちんを奥に押し付けた次の瞬間、わたしは深い絶頂を迎え、腰をびくびくと跳ねさせた。
天彦さんが喉の奥で小さく声を漏らすのと同時におまんこの中でおちんちんがどくどく脈打ち、薄いゴム越しに精液が吐き出される。
長い射精を終えた天彦さんがわたしの唇を解放してようやくおちんちんを引き抜くと、尿道からちょろちょろと情けなくおしっこが漏れだした。今度こそ潮じゃなくて、本当におもらししてしまったのだ。
恥ずかしくてたまらなくてどうにか止めたいのに、快感ですっかりだめになってしまったおまんこはわたしの言うことなんて聞いてくれなかった。
「らめらめらめっ♡とま、とまらないよぉ゛……っ♡」
天彦さんの綺麗な瞳で、おもらししてる姿をじいっと見られてる。こんな痴態を見られるのは情けなくて恥ずかしくてたまらないのに、わたしは心のどこかで興奮してしまっていた。
「う……うぅ……♡」
「っは、天彦とのSMセックスはおもらしする程よかったですか? ふふ、うれしいです」
天彦さんは羞恥心で泣きそうになるわたしを見下ろし、汗ばんだ前髪をかき上げてそう笑った。
日頃から鍛えているからか、天彦さんの呼吸は早くも整っている。わたしはといえばまだまだ息も絶え絶えな状態で、体に力も入らず起き上がることすらままならなかった。慌ただしく上下するわたしのお腹をゆっくりと撫で、天彦さんは優しく話し始める。
「一度、シャワーを浴びて休憩しましょう。水分補給もした方がいい。——随分と出してしまいましたから」
色々な体液でびしょびしょになったわたしの下半身にちらりと視線が送られて、顔がかあっと熱くなる。
確かに今まで快感に夢中で気がいてなかったけど喉がからからだった。こくこくと何度も頷いて応えると、天彦さんはにこりと微笑んで「では早速」とわたしの体を軽々抱き上げる。
「天彦さん、これは外さないんですか……?」
「あぁ、手枷ですか? まだダメです」
わたしをお姫様抱っこしてバスルームまで歩く天彦さんは当たり前のようにそう言ってのけた。
痛みがあるわけでは無いけれど手がこんな状態では上手くシャワーを浴びられない。もっとも、立てるかどうかも怪しいけれど。——それにもうSMプレイは終わったのでは? と少し混乱していると、天彦さんはくすりと笑い声を漏らしながらわたしの体をガラス張りのバスルームに優しく下ろした。
「もしかしてなまえさん、もう終わりだと思ってますか?」
「……違うんですか?」
「ふふ、僕は休憩、としか言ってませんよ。まだまだ使っていないオモチャや道具もありますから、この後もたっぷり楽しみましょうね……♡」
「あ、う……」
天彦さんの信じられないような発言を受けて、わたしはぱくぱくと口を動かすことしか出来なかった。『この後』だとか『オモチャや道具』という単語が頭の中でぐるぐる回って、まだシャワーを浴びる前だというのにのぼせてしまいそうになる。もしかしたらわたしは、すごい世界に足を踏み入れてしまったのかもしれない。
熱くてたまらない体にぬるめのシャワーが優しくかけられ、それと同時に天彦さんの唇がわたしの唇に重ねられる。口内に差し込まれる天彦さんの舌も、ひどく熱かった。