「じゃーん」

にこにこと笑ったキバナさんが手に持っていたのは、キバナさんがいつも着ているパーカーだった。
ドラゴンタイプっぽいデザインの、キバナさんにぴったりのパーカーだ。かっこいいしかわいい、そしてなによりキバナさんによく似合っている。

「キバナさんのパーカー?」
「そうそう。ナックルジムのグッズってことでレプリカユニフォームと一緒にスタジアムで販売することになったんだよ」

なるほど。これはきっとファンのみんなもうれしいだろう。
……それはわかるのだが、何故今このタイミングでキバナさんはこれをわたしに?
今、わたしたちはえっちしようとしていたはずだ。
キバナさんは下着姿、わたしに至っては全裸だ。この状態で突然「ちょっと待っててくれ」と言ってベッドを離れたキバナさんが持ってきたのが先程のパーカーである。
頭の上にクエスチョンマークを浮かべながらも、キバナさんからパーカーを受け取る。キバナさんがいつも着ているものとは少し素材が違うけれど、とてもいい出来だと思う。
困惑したままそう感想を伝えると、キバナさんはにこにこと笑っていた。

「えっと、これを何で今……?」
「なまえ、着てくんない?」
「えっ?いま?」
「そう、今」

上機嫌なキバナさんはわたしの手の中のパーカーを再び持ち、ジッパーを下ろした。そしてわたしの体に掛けて「手ぇ通して」と袖を持ち上げる。
おずおずと言われるがままに袖を通すと、このパーカーはわたしには随分と大きいことがわかった。サイズまでキバナさんのものと同じらしい。

「おっきい」
「あー、本当はXSから各サイズあるんだけど、これはオレさまのと同じサイズだからな」
「どうして?」

裸にパーカー一枚というのはなかなか普段しない格好でなんだか落ち着かない。そのパーカーがキバナさんのパーカーならなおさらだ。なんだかうれしいような恥ずかしいような気がして、もじもじしてしまう。
自然と熱くなる頬をごまかすようにぶかぶかの長い袖をいじくっていると、キバナさんがわたしのことをベッドに押し倒した。

「その方が、なまえはオレさまのって感じがするだろ?」
「えっ、あっ、ぅあ……」

ニターっといやらしく笑いながらわたしを見下ろすその表情に、子宮がきゅうっとする。あまりのかっこよさにわたしは曖昧な言葉を返すことしかできなかった。
ドキドキしながら長い袖をぎゅうっと握りしめていると、キバナさんはわたしのふとももを大きな手のひらで撫でながら話を続けた。

「その格好、スッゲェえっちでかわいい」
「ひぁ……♡んん……♡」
「なまえ、前にオレさまのパーカー着た時、汚すといけないってすぐ脱いじまっただろ?」

するすると内股を撫でられ、期待で足が震える。すでにとろとろと蜜を溢れさせるそこはキバナさんに触られたくてたまらない、と刺激を待ち望んでいるのだった。

「でも、これはどれだけ汚してもいいレプリカだ」
「あっ♡やあっ♡」

焦らすように動かされていたキバナさんの指が、きゅうっ♡とクリトリスを摘んだ。突然の強い刺激に腰が跳ね、パーカーのジッパーがカチャリと音を立てる。ひやりとした金属が肌に当たり一瞬そちらに意識がいきかけるのだが、すぐにキバナさんによって引き戻される。
しこしこと擦るように指を動かされ、頭の中がすぐに快感でいっぱいになっていった。

「だから、いーっぱい気持ちよくなろうな」
「あ♡あっ♡はひ♡きもちよく、なりまひゅ……っ♡」

こくこくと頷くと、キバナさんの指の動きが早くなる。パーカーを着た腕を伸ばしてキバナさんにしがみつけばべろりと耳を舐められた。そのまま耳元で低く、いやらしい声で囁かれる。

「なまえがオレさまのパーカー着てとろとろになってんの、めちゃくちゃ興奮する」

じゅる、と濡れた音が鼓膜に響き、わたしは甘ったるい悲鳴をあげた。この後、パーカーがぐしょぐしょになるまでキバナさんに可愛がられることを想像して、わたしは更に快感に溺れていった。