目の前でゆらゆらと揺れる無花果さまのポニーテールを追いかけながら、わたしはコツコツとヒールの音を鳴らして無機質な長い廊下を歩いていた。無花果さまはご自分の執務室の前に着くと片手でドアを開き、電話の相手に罵声を浴びせていた。
無花果さまに続いて部屋に入ると、無花果さまはイラついた様子で電話を切りスマホを執務机の上に少々乱暴に置いた。
無花果さまの綺麗なお顔は怒っていても綺麗で、わたしはそのつるつるとした頬に長い睫毛の影が落ちる様を眺めていた。

「まったく……男と話すのは時間の無駄にしかならんな」
「おつかれさまです、無花果さま」

はあ、と大きなため息を吐いた無花果さまの側に近づき、そう声をかける。すると無花果さまは眉間にシワの寄った険しい表情を一瞬で和らげ、わたしの腰を抱き寄せた。
声色もひどく優しいものになり、わたしの大好きな甘ったるい話し方をしてくれる。

「ふふ、気遣ってくれるのか?なまえはよく出来た秘書だな」
「もちろんです。わたしは無花果さまが大好きなので!」

秘書。そう、わたしは無花果さまの秘書である。しかし、秘書といってもわたしの仕事はほとんどない。無花果さまはとても優秀でいらっしゃるので、わたしの出る幕などないのだった。
そもそも、この秘書というポジションも「家で無花果さまを待っているだけではさみしい」と言ったわたしの為に無花果さまが用意してくださったものだ。
無花果さまのお仕事にくっついてまわり、無花果さまの仕事の合間に可愛がってもらう。そして家に帰ったらまた可愛がってもらう。それがわたしの毎日である。わたしは無花果さまに飼われているのだ。
無花果さまはわたしの腰を撫でながら、煩わしそうに仕事の話を始められた。やはりお疲れのようだ。

「今日は朝から随分と忙しかったな。あちこち連れ回してしまってなまえも疲れただろう」
「いいえ、無花果さまのお顔が綺麗だなあと思っていたらあっという間に時間が過ぎました」
「可愛いことを言ってくれるな」

にこりと微笑んだ無花果さまは、完璧な形と色の唇でわたしに優しくキスを落としてくれた。うれしくなって無花果さまの背中に手を回すと、無花果さまの唇が少しだけ離れる。
そしてその触れ合いそうな距離のまま、無花果さまの美しい唇は言葉を紡いだ。

「このままもう少し愛でてやりたいが、次の予定は何だったか……」
「無花果さま、次のご予定は一時間後です。たしか、お客様がいらっしゃるとか」
「……なまえ、私のスケジュールを把握しているのか?」

驚いた様子の無花果さまのお顔がわたしから離れ、
ぱちぱちと瞬きを繰り返している。
どうやら秘書というものはお仕えする人物のスケジュール管理をしたりするらしい、とわたしが知ったのは数日前のことだ。わたしも無花果さまの秘書であるなら、無花果さまのスケジュールを把握するべきだと思い、覚える事にしたのだった。

「私を気遣うばかりかスケジュールも把握しているとは……。こんなに優秀な秘書は、中王区中探しても他に見つからないだろう。なまえ、えらいぞ」

よしよし、とわたしの頭を撫でて、無花果さまは再びわたしにキスをする。さっきの唇が触れ合うだけのキスとは違い、舌が差し込まれるえっちなキスだ。
無花果さまとのキスは気持ちよくて大好きだ。ぬるぬる舌が絡まって、唾液が混ざり合う。無花果さまの体に縋り付きながら夢中になって舌を動かしていると、無花果さまの手のひらがわたしのお尻を撫で回した。

「ふぁ……♡無花果さまぁ♡」
「次の予定まで一時間あるなら、このまま少々可愛がってやれそうだな」
「あぅ♡ありがとう、ございます……♡」

スカートの上からお尻を揉まれ、早くもおまんこがぬるぬると濡れ始めるのを感じながら、わたしは無花果さまに導かれるまま執務机の上に横たわる。
スカートを捲り上げて無花果さまに買ってもらったえっちな下着を晒すと、無花果さまは楽しそうにくすくすと笑った。

「可愛いな。なまえによく似合ってるぞ」
「無花果さま、もっとちゅーしたいです♡」
「あぁ、いいだろう」

穏やかに笑う無花果さまはわたしの望み通り何度も何度もキスをしてくれる。唇を食んで、舌を吸って、唾液を飲み込む。あぁ、きもちいい。しあわせ。
それと同時に、かわいいレースでいっぱいのオープンクロッチショーツの中心に指を這わされ、わたしはここが何処なのかも忘れて甘えた声をあげ続けた。
きもちいい。無花果さま、大好き。わたしの、愛しい愛しいご主人様。